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健診で血糖値・HbA1cを指摘されたら|受診の流れ、持ち物、かかる時間、費用の考え方

2026 9/16
医療機関
2026年9月16日

健診結果に「要再検査」「要医療」「要保健指導」の文字。多くの方が「そのうち行こう」と机の上に置いたまま、次の健診を迎えます。行かない理由の多くは、面倒だからではなく、「何科に行けばよいのか」「何をされるのか」「どのくらいかかるのか」が分からないからです。この記事では、その不安に一つずつ答えます。

目次

まず、判定の意味を確認する

健診結果の判定は、実施機関によって表記が異なりますが、おおむね次の意味です。

判定意味目安
異常なし・軽度異常現時点で問題なし次回の健診まで様子を見る
要保健指導生活を見直す段階空腹時血糖100以上、HbA1c 5.6%以上など
要再検査・要精密検査医療機関でもう一度調べる空腹時血糖110以上、HbA1c 6.0%以上など
要医療・要治療医療機関を受診して治療の要否を判断空腹時血糖126以上、HbA1c 6.5%以上など

「要保健指導」は医療機関の受診が必須ではありませんが、家族歴があったり、血圧や脂質も指摘されていたりする場合は受診をおすすめします。「要再検査」以上は、症状がなくても受診してください。

何科に行けばよいのか

血糖値やHbA1cの指摘であれば、内科、あるいは糖尿病内科(糖尿病・内分泌内科、代謝内科などの名称もあります)です。

最初の受診は一般的な内科で構いません。診断の確定、生活指導、飲み薬による治療の多くは内科で対応できます。次のような場合は、糖尿病を専門に診ている医療機関(糖尿病専門医がいる医療機関)を選ぶとよいでしょう。

  • HbA1cが8%以上など、血糖がかなり高い
  • 1型糖尿病の可能性がある(急な体重減少、若い年齢など)
  • 妊娠中、または妊娠を考えている
  • すでに合併症が疑われる
  • 治療しているが血糖が下がらず、転院を考えている

どの医療機関に行くか迷って受診が遅れるより、まず近くの内科に行くほうが確実です。必要があれば、そこから専門の医療機関へ紹介してもらえます。

予約から初診までの流れ

1. 予約する

多くの医療機関がWEB予約に対応しています。初診時に「健診で血糖値(HbA1c)を指摘された」と伝えておくと、当日の検査の準備がスムーズです。

空腹時血糖を測る場合、朝食を抜いて午前中に受診する必要があります。予約時に絶食が必要かどうかを確認してください。HbA1cだけなら食事の影響を受けないので、午後の受診でも問題ありません。

2. 持っていくもの

  • 健康保険証、またはマイナ保険証
  • 健康診断の結果(直近のもの。数年分あるとHbA1cの推移が分かり、診断にも役立ちます)
  • お薬手帳(服用中の薬がある方)
  • 各種医療証(お持ちの方)
  • 家族の病歴を思い出しておく(親・兄弟に糖尿病の人がいるか)

健診結果は「1回目の検査」として扱えることがあり、当日の採血と合わせてその日に診断が確定することもあります。忘れずに持参してください。

3. 初診で行うこと

  • 問診:健診の結果、症状の有無、家族歴、食事・運動・飲酒・喫煙の習慣、体重の変化、服薬中の薬など
  • 診察:血圧、体重、腹囲の測定、必要に応じて足や神経の診察
  • 検査:血液検査(血糖、HbA1c、脂質、肝機能、腎機能など)、尿検査(尿糖、尿蛋白、尿アルブミン)

血液検査の結果は、院内で測れる項目ならその日のうちに、外部の検査機関に出す項目なら数日後に分かります。

4. 結果の説明と方針の相談

いまの状態が「正常」「予備群」「糖尿病」のどれにあたるか、糖尿病ならどの型か、合併症の兆候はあるかを説明したうえで、次のどれから始めるかを相談して決めます。

  • 生活の調整(食事・運動)から始めて、数か月後に再評価する
  • 生活の調整に加えて、飲み薬を始める
  • 血糖が非常に高い場合は、早めにインスリンを検討する

予備群や軽い糖尿病なら、初診の日に薬が始まることは多くありません。「受診=薬」ではないので、その点は安心してください。

どのくらい時間がかかるのか

初診は、問診・診察・採血・説明を含めて、待ち時間を除けば30〜45分程度が目安です。75gブドウ糖負荷試験を行う場合は2時間以上かかりますが、これは初診時ではなく、必要と判断された場合に別の日に行うことが一般的です。

費用の考え方

糖尿病の診察・検査・治療は健康保険が適用されます。初診で血液検査と尿検査を行った場合、3割負担の方でおおむね数千円が目安ですが、検査の項目や医療機関によって異なります。事前に目安を知りたい場合は、受診予定の医療機関にお問い合わせください。

なお、企業や自治体の健診で指摘を受けた場合、健診機関が発行する「紹介状」や「精密検査依頼書」があれば持参してください。健診の結果を踏まえた診療がしやすくなります。

通院はどのくらい続くのか

治療を始めた場合、血糖が安定するまでは1か月に1回程度、安定してからは1〜3か月に1回程度が一般的です。HbA1cが過去1〜2か月の平均を反映する検査なので、この間隔で効果を確認します。

通院が続くかどうかは、治療の結果を大きく左右します。医療機関を選ぶときは、専門性だけでなく、通いやすさ(自宅や職場からの距離、診療時間、予約の取りやすさ、オンライン診療の有無)も重要な条件です。「よい病院だが遠くて通えなくなった」より、「近くの内科に通い続けた」ほうが、10年後の結果はよくなります。

受診をためらっている方へ

「症状がないのに行くのは大げさ」「行ったら怒られそう」「薬を飲みたくない」。受診をためらう理由はさまざまですが、どれも受診しない理由にはなりません。予備群の段階で受診すれば、薬なしで戻せる可能性が高いこと。糖尿病と診断されても、早く保ち始めるほど合併症を防げること。医師の側は、健診結果を持ってきた時点で「よく来てくれた」と考えています。

まとめ

  • 「要再検査」以上は、症状がなくても受診を。「要保健指導」も家族歴や他の指摘があれば
  • 行き先は内科または糖尿病内科。まず近くの内科で構いません
  • 持ち物は保険証・健診結果(数年分あるとよい)・お薬手帳。健診結果は診断に使えます
  • 初診は問診・診察・採血・尿検査で30〜45分程度。健康保険が適用されます
  • 予備群や軽い糖尿病では、初診日に薬が始まることは多くありません
  • 通院は1〜3か月に1回。通いやすさは専門性と同じくらい大切です

健診結果を持って、一度だけ受診してみてください。そこから先を決めるのは、状態を確かめてからで大丈夫です。

参考文献

  • 日本糖尿病学会「糖尿病診療ガイドライン2024」 https://www.jds.or.jp/modules/publication/index.php?content_id=4
  • 日本糖尿病学会 糖尿病診断基準に関する調査検討委員会「糖尿病の分類と診断基準に関する委員会報告(国際標準化対応版)」糖尿病 55(7): 485-504, 2012 https://www.jstage.jst.go.jp/article/tonyobyo/55/7/55_485/_article/-char/ja/
  • 厚生労働省「標準的な健診・保健指導プログラム(令和6年度版)」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000194155_00004.html
  • 国立国際医療研究センター 糖尿病情報センター https://dmic.ncgm.go.jp/

この記事の監修者

鎌形博展株式会社EN 代表取締役兼CEO、医療法人社団季邦会 理事長

救急医療の最前線で培った臨床経験をもとに、現在は医療法人社団季邦会(首都圏7拠点)の理事長として、糖尿病・高血圧・脂質異常症など生活習慣病の診療にあたっています。法人内には糖尿病専門医が院長を務める巣鴨クリニックがあり、日々の診療で得た知見を本メディアの監修に活かしています。

専門科目

救急・地域医療

所属・資格

日本救急医学会
日本災害医学会所属
社会医学系専門医指導医
日本医師会認定健康スポーツ医
国際緊急援助隊・日本災害医学会コーディネーションサポートチーム
ICLSプロバイダー(救命救急対応)
ABLSプロバイダー(熱傷初期対応)
Emergo Train System シニアインストラクター(災害医療訓練企画・運営)
FCCSプロバイダー(集中治療対応)
MCLSプロバイダー(多数傷病者対応)

研究実績

災害医療救護訓練の科学的解析に基づく都市減災コミュニティの創造に関する研究開発 佐々木 亮,武田 宗和,内田 康太郎,上杉 泰隆,鎌形 博展,川島 理恵,黒嶋 智美,江川 香奈,依田 育士,太田 祥一 救急医学 = The Japanese journal of acute medicine 41 (1), 107-112, 2017-01

基礎自治体による互助を活用した災害時要援護者対策 : Edutainment・Medutainmentで創る地域コミュニティの力 鎌形博展, 中村洋 慶應義塾大学大学院経営管理研究科 修士論文 2016

メディア出演

フジテレビ 『イット』『めざまし8』
共同通信
メディカルジャパン など多数

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YouTube Dr.鎌形の正しい医療ナビ https://www.youtube.com/@Dr.kamagata
X(Twitter) https://x.com/Hiro_MD_MBA

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