目次
- 高血圧と食事の関係とは?
- 食事による血圧コントロールの重要性
- 塩分が血圧に与える影響
- 1日の塩分摂取目安と理想的な食事
- ナトリウムとカリウムのバランス
- 隠れ塩分に注意するポイント
- 減塩のコツ|塩分を控えながら美味しく食べる方法
- だしや香辛料を活用した減塩方法
- 食材選びと調理の工夫
- 外食時の減塩ポイント
- DASH食とは?高血圧改善に効果的な食事療法
- DASH食の特徴とポイント
- DASH食の具体的な献立例
- 高血圧におすすめのレシピ5選
- 高血圧向け簡単レシピ(朝・昼・晩)
- 間食と飲み物の選び方
- 継続しやすい食生活の工夫
1. 高血圧と食事の関係とは?
食事による血圧コントロールの重要性
高血圧は生活習慣病の一つであり、食事による管理が非常に重要です。適切な食生活を心がけることで、血圧を正常に保ち、降圧薬の使用を最小限に抑えることが可能になります。
高血圧の主な要因として、過剰な塩分摂取、カリウム不足、過剰なカロリー摂取、アルコールの影響などが挙げられます。特に、日本人は塩分摂取量が多い傾向にあるため、減塩が最優先の対策となります。
さらに、食生活の見直しには DASH食(Dietary Approaches to Stop Hypertension) などの科学的に実証された食事療法を取り入れることも有効です。DASH食は血圧を下げる効果が期待されており、バランスの良い食事が基本となっています。
2. 塩分が血圧に与える影響
1日の塩分摂取目安と理想的な食事
世界保健機関(WHO)や日本高血圧学会は、成人の1日の塩分摂取量を 6g未満 に抑えることを推奨しています。しかし、日本人の平均摂取量は10gを超えており、減塩が急務とされています。
ナトリウムとカリウムのバランス
ナトリウム(塩分)が血圧を上昇させるのに対し、カリウムはナトリウムの排出を助けるため、カリウムを多く含む食品を積極的に摂取することが重要です。カリウムを多く含む食品には以下のようなものがあります。
- バナナ
- ほうれん草
- アボカド
- トマト
- さつまいも
隠れ塩分に注意するポイント
塩分は目に見える部分だけでなく、加工食品や外食にも多く含まれています。
- 加工食品(ハム・ソーセージ・漬物)
- 調味料(醤油・ソース・ケチャップ)
- インスタント食品やスナック菓子
これらの摂取を控えることが、高血圧管理には不可欠です。
3. 減塩のコツ|塩分を控えながら美味しく食べる方法
だしや香辛料を活用した減塩方法
減塩を成功させるためには、塩の代わりに うま味成分や香辛料を活用 することが有効です。
- だし(昆布・かつお・しいたけ):うま味が強く、塩分を抑えても満足感を得やすい。
- 酢や柑橘類(レモン・すだち):酸味が味を引き締め、塩分が少なくても味にメリハリをつけられる。
- ハーブやスパイス(バジル・タイム・ガーリック・ショウガ):香りを活用することで、塩分控えめでも美味しく感じる。
また、 加工食品(漬物・味噌汁・インスタント食品) は塩分が高いため、できる限り控えることが重要です。
外食時の減塩ポイント
- ドレッシングを別添えにする
- 醤油やソースを使う量を半分にする
- 塩分の少ないメニューを選ぶ(蒸し料理・焼き魚など)
4. DASH食とは?高血圧改善に効果的な食事療法
DASH食の特徴とポイント
DASH食は、高血圧を予防・改善するために開発された食事療法で、次のような特徴があります。
- 塩分を控える(1日5〜6g以下)
- カリウム・マグネシウム・カルシウムを豊富に含む食品を摂取(野菜・果物・乳製品)
- 飽和脂肪酸を減らし、良質な油(オリーブオイル・ナッツ類)を使用
- 食物繊維を多く摂取し、血圧上昇を抑える(全粒穀物・豆類)
DASH食を実践することで、 血圧が約5〜11mmHg低下する ことが研究で示されています。
DASH食の具体的な献立例
DASH食を実践するためには、毎日の食事を工夫することが重要です。以下のような献立例を参考にすることで、無理なく続けることができます。
朝食例
- オートミール+バナナ+無糖ヨーグルト
- 全粒パン+アボカド+ゆで卵
- 減塩味噌汁+玄米+納豆
昼食例
- 鶏胸肉と野菜のグリル+雑穀ご飯
- サバの塩焼き+ひじきの煮物+ほうれん草の和え物
- 豆腐と海藻のサラダ+全粒粉パスタ(トマトソース)
夕食例
- 鮭のホイル焼き+根菜の煮物+玄米
- チキンと野菜のスープ+サラダ+全粒クラッカー
- 豆カレー+雑穀ご飯+ヨーグルト
DASH食では、 野菜、果物、ナッツ、低脂肪乳製品、良質なタンパク質 を積極的に取り入れることがポイントです。
5. 高血圧におすすめのレシピ5選
高血圧向け簡単レシピ(朝・昼・晩)
1. 朝食:減塩みそ汁(具沢山)
- だしをしっかり取ることで、塩分を抑えても美味しく仕上がる。
- 具材は ほうれん草・豆腐・わかめ・しめじ など、カリウムが豊富なものを選ぶ。
2. 昼食:鶏むね肉と彩り野菜のソテー
- 塩を使わず、 レモン・ニンニク・オリーブオイル で味付け。
- ブロッコリーやトマトを添えることで、抗酸化作用もプラス。
3. 夕食:サバの味噌煮(減塩)
- 味噌の量を通常の半分にし、 生姜と昆布だし でコクを出す。
- 青魚のEPA・DHAが動脈硬化予防にも役立つ。
4. 間食:無塩ナッツ+ヨーグルト
- ナッツの マグネシウム・オメガ3脂肪酸 が血圧を安定させる。
- ヨーグルトは カルシウムを豊富に含み、血圧低下作用 あり。
5. 飲み物:減塩トマトジュース
- カリウムが豊富で、塩分排出を促進。
- 無塩タイプを選ぶことで、塩分過多を防げる。
間食と飲み物の選び方
高血圧の管理には、間食や飲み物の選び方も重要です。おすすめの間食・飲み物には次のようなものがあります。
- 無塩ナッツ(アーモンド、クルミ):良質な脂肪酸を含み、血管の健康維持に役立つ。
- ヨーグルト(低脂肪):腸内環境を整え、血圧の安定に寄与。
- 緑茶・ルイボスティー:抗酸化作用があり、血圧を穏やかに調整。
- カリウム豊富なジュース(トマトジュース・オレンジジュース):ナトリウム排出を促す。
継続しやすい食生活の工夫
- 減塩調味料を活用する:市販の減塩醤油や減塩味噌を使用。
- 食材の風味を活かす:新鮮なハーブやスパイスを利用して、風味を豊かに。
- 食べる順番を意識する:野菜や汁物を先に食べることで、満腹感を得やすくする。
まとめ
高血圧の管理には 減塩・DASH食・カリウム摂取 が鍵となります。日々の食生活を見直し、少しずつ減塩の工夫を取り入れることで、血圧を安定させることができます。今回紹介したレシピを活用し、無理なく美味しく血圧コントロールを行いましょう。
食事療法を続けることで、降圧薬の使用を最小限に抑え、健康的な生活を送ることが可能になります。自身のライフスタイルに合った方法で、楽しみながら健康維持を目指しましょう。
監修
鎌形博展 株式会社EN 代表取締役兼CEO、医療法人社団季邦会 理事長
専門科目 救急・地域医療
所属・資格
- 日本救急医学会
- 日本災害医学会所属
- 社会医学系専門医
- 日本医師会認定健康スポーツ医
- 国際緊急援助隊・日本災害医学会コーディネーションサポートチーム
- ICLSプロバイダー(救命救急対応)
- ABLSプロバイダー(熱傷初期対応)
- Emergo Train System シニアインストラクター(災害医療訓練企画・運営)
- FCCSプロバイダー(集中治療対応)
- MCLSプロバイダー(多数傷病者対応)
研究実績
- 災害医療救護訓練の科学的解析に基づく都市減災コミュニティの創造に関する研究開発 佐々木 亮,武田 宗和,内田 康太郎,上杉 泰隆,鎌形 博展,川島 理恵,黒嶋 智美,江川 香奈,依田 育士,太田 祥一 救急医学 = The Japanese journal of acute medicine 41 (1), 107-112, 2017-01
- 基礎自治体による互助を活用した災害時要援護者対策 : Edutainment・Medutainmentで創る地域コミュニティの力 鎌形博展, 中村洋 慶應義塾大学大学院経営管理研究科 修士論文 2016
メディア出演
- フジテレビ 『イット』『めざまし8』
- 共同通信
- メディカルジャパン など多数
SNSメディア
- Youtube Dr.鎌形の正しい医療ナビ https://www.youtube.com/@Dr.kamagata
- X(twitter) https://x.com/Hiro_MD_MBA
関連リンク
- 株式会社EN https://www.med-pro.jp/en/
医療法人社団季邦会 https://wellness.or.jp/kihokai/