ジェネリック医薬品って、本当に同じ薬なの?

ジェネリック医薬品って、本当に同じ薬なの?

本記事について

特定の製薬会社・医薬品・薬局を推薦する記事ではありません。また、いま飲んでいる薬を切り替えてよいかを判断する記事でもありません。 切り替えの可否は、処方する医師・調剤する薬剤師が個別に判断する事柄です。この記事は、ジェネリック医薬品が制度上どう位置づけられていて、先発医薬品を選んだときに窓口の支払いが何円変わるのかという、制度と費用のしくみの説明にとどめています。

費用に関する記述は、2026年6月1日から適用されている厚生労働省の告示・通知と事務連絡を出典にしています。品質・承認に関する記述は厚生労働省とPMDA(医薬品医療機器総合機構)の公開資料によります(末尾に一覧)。

目次

はじめに

薬局で「お薬はジェネリックでよろしいですか」と聞かれて、一瞬考える。安くなるのはありがたいけれど、同じ成分だと言われても、袋から出てくる錠剤は色も形も違う。本当に同じように効くのか——診察室でも薬局でも、いちばんよく聞かれる質問のひとつです。

そして2026年6月から、この質問の重みが少し変わりました。医療上の必要がないのに先発医薬品を希望した場合の負担が、それまでの「先発品と後発品の差額の4分の1」から「差額の2分の1」に引き上げられたからです。「なんとなく前から飲んでいるほうで」と答えたときの金額が、以前より大きくなります。

ジェネリック医薬品(後発医薬品)は、先発医薬品と同じ有効成分を同じ量含み、体内での血中濃度の動きが同等であることを試験で確かめたうえで、厚生労働大臣が承認した薬です。 錠剤の色・形や添加剤は違うことがありますが、有効成分と効能・効果は原則として同じものとして承認されています。ただし2026年6月からは、医療上の必要がないのに先発医薬品を希望すると、先発品と後発品の差額の2分の1を、通常の1〜3割の負担とは別に「特別の料金」として支払うことになりました。

ジェネリック医薬品とは、何が「同じ」薬なのか?

PMDAは後発医薬品を、「同一の有効成分を同一量含み、同一投与経路の製剤であり、効能・効果、用法・用量も原則的に同一である医薬品」であって、「生物学的同等性試験等にてその新薬と治療学的に同等であることが検証されているもの」と説明しています。

つまり「似た薬」ではありません。有効成分の種類と量、飲み方(投与経路)、何の病気に使うか(効能・効果)、どれだけ使うか(用法・用量)が、原則として先発医薬品と同じものとして承認されたものだけが、ジェネリック医薬品として流通します。

一方で、全部が同じである必要はありません。 厚生労働省の「ジェネリック医薬品Q&A」は、先発医薬品が製剤特許を持っている場合などに、ジェネリック医薬品が異なる添加剤を使用することがあると説明しています。錠剤の色や形、大きさ、味が違うのはこのためです。

ただし、添加剤なら何でもよいわけではありません。同Q&Aは、日本薬局方の製剤総則の規定により「薬理作用を発揮したり、有効成分の治療効果を妨げたりする物質を添加剤として使用することはできません」とし、「使用前例のある、安全性が確認された添加剤のみが使用されています」と説明しています。前例のない添加剤を使う場合は、その添加剤の毒性試験などを実施してあらためて安全性の審査を受けることになります。

そして、添加剤が変わるのは後発医薬品だけの話ではありません。 同Q&Aは、「既に上市されている先発医薬品でも、承認を受けた当初の製剤と異なる添加剤への変更がなされる場合があります」とし、同じ銘柄の先発医薬品でも10年前の製品と現在流通している製品とで添加剤が異なるケースがあると記しています。その場合も、当初の製剤と同等であることを生物学的同等性試験で確認する扱いです。「先発品はずっと中身が同じ」ではないということです。

「同じように効く」は、どう確かめられているのか?

ここが、いちばん誤解の多いところです。同等性の判定は、感覚ではなく数値の基準で決められています。

厚生労働省の「後発医薬品の生物学的同等性試験ガイドライン」は、判定の基準をこう定めています。

試験製剤と標準製剤の生物学的同等性評価パラメータの対数値の平均値の差の90%信頼区間が,log(0.80)~log(1.25)の範囲にあるとき,試験製剤と標準製剤は生物学的に同等と判定する.

ここでいうパラメータは、薬を飲んだあとのCmax(最高血中濃度)とAUC(血中濃度曲線下面積)です。同じ人たちに先発品と後発品をそれぞれ飲んでもらい、血液中の薬の濃度の動きを比べて、その比が統計的に一定の範囲に収まるかを見る、という設計になっています。

この「0.80〜1.25」という数字が、しばしば誤読されます。 厚生労働省のQ&Aは、この点を正面から取り上げています。

生物学的同等性試験で設定されている許容域の幅は、ジェネリック医薬品と先発医薬品の治療効果の差を意味するわけではありません。この幅は、医薬品を服用した後の血中濃度が、被験者の体質や体調によって大きくばらつく中で、統計的な評価を適確に行うために設定されたものです。

同じ人が同じ薬を飲んでも、その日の体調や食事で血中濃度は動きます。 許容域は、その避けられないばらつきを踏まえたうえで、治療効果が同等と評価できる幅として設定されたものだ、という説明です。

実際の数字も示されています。同Q&Aは、PMDAが発足した2004年4月1日から2011年1月15日までに承認された経口製剤のジェネリック医薬品について実施された930件の生物学的同等性試験を検証した結果として、先発医薬品との差の平均がCmaxで4.61%、AUCtで3.87%だったとし、「ジェネリック医薬品と先発医薬品の差はほとんどないという結果になりました」と記しています。

「承認審査の試験項目が少ないのではないか」という疑問にも、同Q&Aは答えています。「ジェネリック医薬品の審査の際に省略される試験項目は、先発医薬品において既に確認済の内容であり」、有効成分そのものの有効性・安全性は先発医薬品の試験と市販後調査で確認済みだから、あとは製剤化されたものが同じ血中濃度の動きを示すかを確かめればよい、という組み立てです。同Q&Aはこの考え方を「米国や欧州の各国でも同様であり、最新の科学的知見に基づく世界標準の考え方です」としています。

そして、この「試験項目が少ない」承認の枠組みは、先発医薬品にも使われています。 同Q&Aは、先発医薬品が添加剤を変更するときや口腔内崩壊錠などを追加で発売するときに必要な審査について、「求められる試験項目および基準は、ジェネリック医薬品と同じです」と明記しています。

2026年6月から、先発医薬品を選ぶと差額の半分を払う

ここからは費用の話です。制度の名前は「長期収載品の処方等又は調剤に係る選定療養」といいます。長期収載品とは、後発医薬品のある先発医薬品のことです。

この仕組みは2024年(令和6年)10月1日に始まり、当初の患者負担は差額の4分の1でした。その後、令和8年3月27日に「厚生労働大臣の定める評価療養、患者申出療養及び選定療養等の一部を改正する告示」(令和8年厚生労働省告示第116号)が告示され、2026年(令和8年)6月1日から水準が引き上げられました。

厚生労働省は、患者向けの説明としてこう書いています。

令和8年6月から、先発医薬品と後発医薬品の価格差の2分の1相当の料金のことを言います

例えば、先発医薬品の価格が1錠100円、後発医薬品の価格が1錠60円の場合、差額40円の2分の1である20円を、通常の1~3割の患者負担とは別に特別の料金としてお支払いいただきます。

同じページには、あわせて次の注意も書かれています。

  • 「特別の料金」は課税対象であるため、消費税分を加えて支払うことになる
  • 後発医薬品がいくつか存在する場合は、薬価が一番高い後発医薬品との価格差で計算する
  • 端数処理の関係などで、特別の料金が2分の1ちょうどにならない場合もある
  • 薬剤料以外の費用(診療・調剤の費用)はこれまでと変わらない

1か月ぶんだと、いくら違うのか

厚生労働省の事務連絡には、計算の具体例が示されています。薬価100.0円の長期収載品、後発医薬品の最高価格が49.3円、1日2錠を30日分、自己負担3割の場合です。

内訳金額
「特別の料金」(差額の2分の1・消費税10%込み)1,650円
選定療養を除く保険対象分の自己負担(3割)1,350円
患者負担の総額3,000円

同じ処方で後発医薬品を選んだ場合はどうなるかを、同じ計算方法(1剤1日分あたりの薬価を点数に換算し、1点10円で計算する)にあてはめて試算すると、薬剤料は1日あたり49.3円×2錠=98.6円=10点、30日で300点=3,000円となり、3割負担なら900円です。同じ成分の薬で、窓口が3,000円になるか900円になるかが分かれることになります(この後段の試算は本記事によるものです)。

もっとも、金額が大きくなる処方ばかりではありません。 中央社会保険医療協議会(中医協)に提出された分析では、令和6年11月に選定療養の対象となったレセプトは約368万件(全体の4.9%)で、当時(差額の4分の1の時期)の特別の料金は1,000円未満が90.0%、2,000円未満が98.3%でした。

対象になるのは、どの薬か

すべての先発医薬品が対象になるわけではありません。中医協の資料は、対象品目の範囲をこう整理しています。

  • 後発品が発売されてから5年を経過した長期収載品は対象とする。ただし置換率が極めて低い場合(市場に後発医薬品がほぼ存在しない場合)は対象外
  • 5年を経過していなくても、置換率が50%に達している場合は対象とする

どの薬が対象かは、厚生労働省が「対象医薬品リスト」として公表しています。 手元の薬が対象かどうかは、このリストか、薬局・医療機関での説明で分かります。なお、費用徴収その他必要な事項は医療機関・薬局内の見やすい場所に掲示しなければならないとされており、窓口の掲示やポスターもその一環です。

対象にならない場面

制度の適用範囲にも線が引かれています。厚生労働省の疑義解釈資料によれば、

  • 入院は対象外。退院間際に出される「退院時処方」も、入院患者に対する投薬として入院と同様に扱う
  • 在宅自己注射を処方した場合は対象になる
  • 院内処方でも同じ扱い。この場合は医療機関が特別の料金を徴収する

見落とされやすいのが、公費負担医療の扱いです。 疑義解釈資料は、国の公費負担医療制度の対象となっている患者も、こども医療費助成等のいわゆる地方単独の公費負担医療の対象となっている患者も、長期収載品を希望した場合は他の患者と同様に選定療養の対象となるとしています。子ども医療費の助成を受けていても、この特別の料金は助成の外側ということです。

生活保護を受けている方については扱いが違います。疑義解釈資料(その2)は、医療上の必要性が認められず、かつ後発医薬品を提供できる場合には、長期収載品は医療扶助・保険給付の対象とならないため後発医薬品が調剤されることになり、「『特別の料金』を徴収するケースは生じない」としています。

特別の料金がかからないのは、どういうとき?

患者が希望したかどうかが分かれ目です。制度は、次の2つの場合を選定療養とせず、従来どおりの保険給付としています。

1. 医療上の必要があると認められる場合2. 後発医薬品の在庫状況等を踏まえ、後発医薬品を提供することが困難な場合

1つ目について、厚生労働省の疑義解釈資料は、医師・歯科医師が次のように判断する場合を挙げています。

  • ① 長期収載品と後発医薬品で薬事上承認された効能・効果に差異がある場合であって、その患者の疾病に対する治療において長期収載品を処方する医療上の必要があると判断する場合
  • ② その患者が後発医薬品を使用した際に、副作用や、他の医薬品との飲み合わせによる相互作用、先発医薬品との間で治療効果に差異があったと判断する場合であって、安全性の観点等から長期収載品を処方する必要があると判断する場合
  • ③ 学会が作成しているガイドラインにおいて、長期収載品を使用している患者について後発医薬品へ切り替えないことが推奨されており、それを踏まえて長期収載品を処方する必要があると判断する場合
  • ④ 後発医薬品の剤形では飲みにくい、吸湿性により一包化ができないなど、剤形上の違いにより、長期収載品を処方する必要があると判断する場合。ただし、単に剤形の好みによって長期収載品を選択することは含まれない

③については、同資料が具体例を挙げています。日本神経学会の「てんかん診療ガイドライン2018」が、発作が抑制されている患者では服用中の薬剤を切り替えないことを推奨していることを引いたうえで、医師等が③に該当すると判断すれば保険給付となる、としています。

逆に、「こちらのほうが飲み慣れている」という理由は、ここには含まれません。 疑義解釈資料は、使用感など有効成分と直接関係のない理由について、「基本的には使用感などについては医療上の必要性としては想定していない」としています。

2つ目の「提供することが困難な場合」は、その医療機関・薬局の実情で判断するものとされています。疑義解釈資料は、出荷停止・出荷調整の品目かどうかで判断するのではなく、現に、その保険医療機関または保険薬局において後発医薬品を提供することが困難かどうかで判断することを確認しています。

これは実務上かなりの割合を占めています。中医協に提出された薬局調査では、長期収載品を調剤した理由のうち「後発医薬品の在庫状況等を踏まえ、後発医薬品の提供が困難であり、長期収載品を調剤せざるを得なかった」が43.9%でした。

処方箋にある2つの欄と、一般名処方

この制度に合わせて、処方箋の様式が変わっています。 2024年10月1日付の改正で、次の2つの欄が置かれました。

  • 「変更不可(医療上必要)」欄——医師が医療上の必要性から後発医薬品への変更に差し支えがあると判断した場合に、医薬品ごとにチェックを記載し、「保険医署名」欄に署名する
  • 「患者希望」欄——患者の希望を踏まえて長期収載品を銘柄名で処方する場合に、医薬品ごとにチェックを記載する

通知は、どちらの欄にもチェックがない場合、薬局の段階で後発医薬品を調剤できる一方、患者が長期収載品を希望すれば選定療養の対象になるとしています。「変更不可(医療上必要)」にチェックがあれば、これまでどおりの保険給付です。

一般名処方の場合は、どちらの欄にもチェックを記載しません。一般名処方とは、銘柄名ではなく有効成分の名前と含量で処方する書き方です。厚生労働省のQ&Aは、その理由を、薬剤師が患者の要望に沿って適切なものを選べること、1つの成分に多数の銘柄がある中で薬局が多くの在庫を抱えずに済むことだと説明しています。通知も、医療上の必要性がなく患者の希望もない場合には「一般名処方がされることが望ましい」としています。

なお、一般名処方の処方箋を持って薬局に行き、そこで患者が長期収載品を希望した場合は、選定療養の対象になります。処方の段階だけでなく、薬局の窓口も判断の場ということです。中医協に提出された調査では、1週間に受け付けた処方箋のうち「1品目でも一般名処方が含まれている処方箋」の割合は52.8%でした。

供給の事情で、銘柄が変わることがある

もうひとつ、いまの医薬品を考えるうえで外せない事情があります。後発医薬品を中心とする供給不足が、数年にわたって続いていることです。

中医協に提出された資料によると、令和7年8月時点で限定出荷・供給停止となっている医療用医薬品は計1,821品目で、限定出荷の割合は9.0%でした。令和6年9月の2,194品目・11.4%からは改善していますが、なお1割近くが平常どおりには出荷されていません。理由の内訳は、需要増が793品目、その他の理由が252品目、製造トラブルが185品目、原材料調達上の問題が90品目、品質トラブルが41品目などとされています。

こうした状況を踏まえ、厚生労働省は「現下の医療用医薬品の供給状況における変更調剤の取扱いについて」(令和6年3月15日事務連絡)で、当面の間、疑義照会なく変更調剤できる取扱いを示しています。薬局で「同じ成分の、別のメーカーのもの」に変わることがあるのは、この取扱いによるものです。

だからこそ、手元に記録を残しておくことが効いてきます。 銘柄が変わっても有効成分は同じですが、次に別の医療機関にかかったとき、「いま何を飲んでいるか」を正確に伝えられるかどうかは別の問題です。お薬手帳の役割についてはお薬手帳って、本当に必要?で詳しく解説しています。

なお、後発医薬品の使用は全体としては進んでいます。厚生労働省の調剤医療費の動向では、後発医薬品割合(数量ベース、新指標)は令和6年度末(令和7年3月)時点で90.6%でした。国の目標は「医薬品の安定的な供給を基本としつつ、後発医薬品の数量シェアを2029年度末までに全ての都道府県で80%以上」とされています。

よくある誤解

誤解1:「同等性の基準に80〜125%の幅があるから、効き目が最大45%違うことがある」

これは厚生労働省のQ&Aが名指しで否定している誤読です。同Q&Aは、許容域は血中濃度の平均値の比の幅を示すものであって治療効果の差の幅ではないこと、実際に930件の試験を検証すると先発医薬品との差はCmaxで平均4.61%、AUCtで平均3.87%にとどまったことを示しています。

誤解2:「承認審査の試験項目が少ないから、品質が劣る」

省略されている項目は、先発医薬品ですでに確認済みの、有効成分そのものに関する試験です。同Q&Aはこの考え方を世界標準としたうえで、先発医薬品が添加剤を変更する際の審査についても「求められる試験項目および基準は、ジェネリック医薬品と同じです」としています。

誤解3:「安いのは品質が劣るから」

同Q&Aは、薬価が安い理由を「研究開発費等が先発医薬品ほどかからないため」と説明しています。新薬開発には1品目300億円以上といわれる費用がかかるのに対し、ジェネリック医薬品の場合は1億円程度に収まるとされ、情報提供等の販売管理費も少なくなる、という説明です。

誤解4:「先発品を希望すると、全額自費になる」

そうではありません。保険給付は続きます。 選定療養の対象になっても保険から外れるのは差額の一部だけで、2026年6月からは先発品と後発品の差額の2分の1が「特別の料金」として上乗せされる形です。厚生労働省も、薬剤料以外の診療・調剤の費用はこれまでと変わらないと説明しています。

誤解5:「子どもの医療費は助成があるから、どちらを選んでも負担は0円」

疑義解釈資料は、こども医療費助成等の地方単独の公費負担医療の対象となっている患者も、国の公費負担医療制度の対象となっている患者も、長期収載品を希望した場合は他の患者と同様に選定療養の対象になるとしています。

誤解6:「バイオ医薬品の後続品も、ジェネリックと同じもの」

制度の上では別のものとして扱われています。厚生労働省は後発医薬品の数量シェアの目標とは別に、バイオシミラー(バイオ後続品)について副次目標を設定しており、呼び方も「後発医薬品」ではなく「バイオ後続品」です。

こう考えて使うとよい

自分の場面に当てはめるときの軸を挙げます。

  • 「どちらでもよい」と思うなら、薬局で聞かれたときに一言そう伝える。 一般名処方の処方箋を持っていった場合、長期収載品を希望するかどうかは窓口で確認されます
  • 切り替えに不安があるなら、「不安がある」ではなく「前に変えたときにこうだった」を伝える。 副作用や効き方の違いを実際に経験した場合は、医療上の必要性の②にあたるかを医師が判断する材料になります
  • 飲みにくさ・一包化の可否は、遠慮せずに言う。 剤形上の理由は医療上の必要性の④として明記されており、薬剤師が判断できる場合もあります
  • 持病の薬では、学会のガイドラインが切り替えを勧めていない領域もある。 てんかん診療ガイドラインの例が疑義解釈資料に挙がっています。自己判断で変えず、主治医に確認してください
  • 金額が気になるなら、1回ぶんではなく1か月ぶんで考える。 差は1日あたりでは小さくても、長期の処方では積み上がります
  • 子どもの医療費助成があっても、特別の料金は別。 助成の対象外である点は制度上はっきりしています
  • 銘柄が変わったら、お薬手帳に反映しておく。 供給の事情で別のメーカーのものになることは珍しくありません

ここに書いたのは、あくまで制度上の考え方です。 実際にどちらを使うかは、その薬・その病状ごとに、処方する医師と調剤する薬剤師が判断する事柄です。

実際に探すときは

継続的に薬が出ている方ほど、窓口で相談できる相手を決めておくことが効いてきます。かかりつけを決めていない場合は、一般内科(プライマリケア)を掲げる診療所が入り口になります。本サイトでは、エリアごとに一般内科のクリニックを紹介しています。

かかりつけを持つこと自体の意味については「かかりつけ医」を持つと何がいいの?、薬の記録の残し方についてはお薬手帳って、本当に必要?で解説しています。

監修者からのひとこと

外来で「ジェネリックは効かない気がする」と言われることがあります。話を聞いていくと、切り替えた時期と体調を崩した時期がたまたま重なっていた、というケースが少なくありません。それは本人にとっては確かな経験なので、まず否定せずに聞くようにしています。

そのうえで、こちらがいちばん知りたいのは「いつ、何が、どう変わったか」です。副作用が出た、効きが違った、という具体的な話であれば、制度の上でも医療上の必要性として扱える余地があります。漠然とした不安のままだと、こちらも打つ手がありません。

もうひとつ、診察室からお願いしたいのは、飲みにくさを我慢しないことです。大きくて飲み込みにくい、一包化できない、といった話は、剤形上の理由としてきちんと位置づけられています。言ってもらえれば対応できることは、思ったより多いです。

よくある質問

Q. ジェネリック医薬品は、先発医薬品と同じ薬なのですか。

A. 同じ部分と違う部分があります。PMDAは後発医薬品を「同一の有効成分を同一量含み、同一投与経路の製剤であり、効能・効果、用法・用量も原則的に同一である医薬品」であって、生物学的同等性試験等により先発医薬品と治療学的に同等であることが検証されているものと説明しています。一方、厚生労働省のQ&Aは、先発医薬品が製剤特許を有している場合などに異なる添加剤を使用することがあると説明しています。錠剤の色や形が違うのはこのためです。

Q. 生物学的同等性試験の基準が「80〜125%」と聞きました。効き目が最大45%違うということですか。

A. 違います。厚生労働省のQ&Aは、この許容域は血中濃度の平均値の比の幅を示すものであって治療効果の差の幅ではなく、服用する人の体質や体調による避けられないばらつきを踏まえて設定されたものだと説明しています。実際に930件の生物学的同等性試験を検証した結果では、先発医薬品との差はCmaxで平均4.61%、AUCtで平均3.87%でした。

Q. 先発医薬品を希望すると、いくら余分に払うことになりますか。

A. 2026年6月からは、先発医薬品と後発医薬品の価格差の2分の1相当が「特別の料金」となります。厚生労働省の例では、先発医薬品が1錠100円、後発医薬品が1錠60円の場合、差額40円の2分の1である20円を、通常の1〜3割の負担とは別に支払うことになります。特別の料金は課税対象のため消費税分が加わり、後発医薬品が複数ある場合は薬価が最も高いものとの差額で計算されます。

Q. 2024年10月に始まったときと、金額は変わったのですか。

A. 変わりました。制度が始まった2024年(令和6年)10月1日時点の患者負担は差額の4分の1相当でしたが、令和8年厚生労働省告示第116号により、2026年(令和8年)6月1日から差額の2分の1に引き上げられています。

Q. 医師が「先発でいく」と判断した場合も、特別の料金がかかりますか。

A. かかりません。医療上の必要があると認められる場合は、従来どおりの保険給付です。疑義解釈資料は、効能・効果に差異がある場合、副作用や相互作用・治療効果の差異があった場合、学会のガイドラインが切り替えないことを推奨している場合、剤形上の違いにより必要と判断される場合の4つを挙げています。処方箋では「変更不可(医療上必要)」欄への記載と保険医の署名で示されます。

Q. 薬局に後発医薬品の在庫がないときは、どうなりますか。

A. その場合も特別の料金はかかりません。通知は、後発医薬品の在庫状況等を踏まえて提供が困難であり長期収載品を調剤せざるを得ない場合は、患者が希望して長期収載品を選択したことにはならないため保険給付とするとしています。疑義解釈資料は、この判断が出荷停止品目かどうかではなく、その医療機関・薬局で現に提供が困難かどうかで行われることを確認しています。

Q. 「飲み慣れているほう」という理由では、医療上の必要性になりませんか。

A. 基本的にはなりません。疑義解釈資料は、使用感など有効成分等と直接関係のない理由について「基本的には使用感などについては医療上の必要性としては想定していない」としています。ただし、飲み込みにくさや一包化ができないといった剤形上の理由は、医療上の必要性の④として挙げられています。

Q. 子どもの医療費助成を受けています。先発医薬品を希望した場合も無料ですか。

A. 特別の料金は助成の対象外です。疑義解釈資料は、こども医療費助成等のいわゆる地方単独の公費負担医療の対象となっている患者が長期収載品を希望した場合も、他の患者と同様に選定療養の対象となるとしています。国の公費負担医療制度の対象の方も同様です。

Q. 入院中の薬も対象になりますか。

A. 入院は選定療養の対象外です。疑義解釈資料は、退院間際に処方されるいわゆる「退院時処方」についても、入院患者に対する投薬として入院と同様に取り扱うとしています。一方、在宅自己注射を処方した場合は対象になります。

Q. 薬局で、前回と違うメーカーの薬になりました。問題はないのですか。

A. 供給の状況を踏まえた取扱いがあります。厚生労働省は「現下の医療用医薬品の供給状況における変更調剤の取扱いについて」(令和6年3月15日事務連絡)で、当面の間、疑義照会なく変更調剤できることとしています。中医協の資料によれば、令和7年8月時点で限定出荷・供給停止の品目は計1,821品目、限定出荷の割合は9.0%でした。気になる点があれば、その場で薬剤師に確認し、お薬手帳に反映しておくとよいでしょう。

出典・参考文献

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