目次
- 肥満が血圧に与える影響とは?
- BMIと高血圧の関係
- 内臓脂肪が血圧を上げる仕組み
- 内臓脂肪と血圧の関連性
- 内臓脂肪が血管に与える影響
- メタボリックシンドロームと高血圧
- 減量すると血圧はどのくらい下がる?
- 減量による血圧の変化
- どの程度の減量が必要か
- 血圧を下げるためのダイエット方法
- 無理なく痩せる食事と運動法
- おすすめの食事と運動
- リバウンドを防ぐ体重管理のコツ
- 体重をキープする習慣
- 継続しやすい生活習慣の作り方
1. 肥満が血圧に与える影響とは?
BMIと高血圧の関係
肥満は高血圧の主要な危険因子の一つです。 BMI(体格指数)が25以上 の人は、高血圧のリスクが顕著に上昇するとされています(参考:Kannel et al., 2019)。
BMIの分類(成人):
- 18.5未満:低体重
- 18.5〜24.9:正常範囲
- 25.0〜29.9:過体重(肥満前段階)
- 30.0以上:肥満
BMIが25を超えると、心血管疾患や糖尿病のリスクも増加し、血圧上昇の要因となります。
内臓脂肪が血圧を上げる仕組み
脂肪組織は単なるエネルギーの貯蔵庫ではなく、 炎症性サイトカインやホルモンを分泌 し、血圧の上昇を促すことが分かっています(参考:Hall et al., 2020)。
- レプチン:交感神経を刺激し、血圧を上昇させる。
- アディポネクチンの低下:血管拡張作用が減少し、高血圧を助長。
2. 内臓脂肪と血圧の関連性
内臓脂肪が血管に与える影響
内臓脂肪が増加すると、血管の弾力性が低下し、 動脈硬化が進行 します。これにより、血管抵抗が増し、血圧が上昇します。
メタボリックシンドロームと高血圧
メタボリックシンドロームは 内臓脂肪型肥満、高血圧、高血糖、脂質異常 の複合リスク因子を指し、 高血圧患者の50%以上がメタボリックシンドローム に該当すると報告されています(参考:Grundy et al., 2018)。
3. 減量すると血圧はどのくらい下がる?
減量による血圧の変化
研究によると、 体重を5〜10%減少させると、収縮期血圧が4〜8mmHg低下する ことが報告されています(参考:Appel et al., 2021)。
どの程度の減量が必要か
一般的に 体重を1kg減らすごとに血圧が約1mmHg低下 するとされています。特に 内臓脂肪を減らすことが重要 であり、単なる体重減少よりも 腹囲の減少 が血圧改善に直結します。
4. 血圧を下げるためのダイエット方法
無理なく痩せる食事と運動法
- 減塩食の導入:DASH食や地中海食を取り入れる。
- カロリー管理:食事記録をつけ、摂取カロリーを把握する。
- 適度な運動:ウォーキングや軽い筋トレを習慣化。
おすすめの食事と運動
食事:
- 野菜・果物を増やす(カリウム・食物繊維が豊富)
- 塩分を控える(加工食品を避け、減塩調味料を活用)
- 良質なタンパク質を摂取(魚・大豆製品・鶏肉)
運動:
- 1日30分以上の有酸素運動(ウォーキング、ジョギング)
- 週2回以上の筋力トレーニング(スクワット、プランク)
5. リバウンドを防ぐ体重管理のコツ
体重をキープする習慣
- 食事の見直しを継続(リバウンド防止のため、急激な食事制限を避ける)
- 定期的に体重を測る(体重増加を早期に把握し、調整)
- ストレス管理(ストレスが過食の原因にならないよう注意)
継続しやすい生活習慣の作り方
- 目標設定を具体的にする(「1ヶ月で1kg減」など現実的な目標を設定)
- 楽しめる運動を見つける(ダンスやスポーツなど継続しやすいものを選ぶ)
- 睡眠をしっかり取る(睡眠不足は食欲を増加させる)
まとめ
肥満は高血圧のリスクを高める大きな要因の一つです。 体重を5〜10%減らすだけで、血圧の改善が期待できる ため、適切な食事と運動で減量を進めることが重要です。
無理のない範囲で生活習慣を改善し、 継続できるダイエットを実践することで、健康的な血圧管理を目指しましょう。
監修
鎌形博展 株式会社EN 代表取締役兼CEO、医療法人社団季邦会 理事長
専門科目 救急・地域医療
所属・資格
- 日本救急医学会
- 日本災害医学会所属
- 社会医学系専門医指導医
- 日本医師会認定健康スポーツ医
- 国際緊急援助隊・日本災害医学会コーディネーションサポートチーム
- ICLSプロバイダー(救命救急対応)
- ABLSプロバイダー(熱傷初期対応)
- Emergo Train System シニアインストラクター(災害医療訓練企画・運営)
- FCCSプロバイダー(集中治療対応)
- MCLSプロバイダー(多数傷病者対応)
研究実績
- 災害医療救護訓練の科学的解析に基づく都市減災コミュニティの創造に関する研究開発 佐々木 亮,武田 宗和,内田 康太郎,上杉 泰隆,鎌形 博展,川島 理恵,黒嶋 智美,江川 香奈,依田 育士,太田 祥一 救急医学 = The Japanese journal of acute medicine 41 (1), 107-112, 2017-01
- 基礎自治体による互助を活用した災害時要援護者対策 : Edutainment・Medutainmentで創る地域コミュニティの力 鎌形博展, 中村洋 慶應義塾大学大学院経営管理研究科 修士論文 2016
メディア出演
- フジテレビ 『イット』『めざまし8』
- 共同通信
- メディカルジャパン など多数
SNSメディア
- Youtube Dr.鎌形の正しい医療ナビ https://www.youtube.com/@Dr.kamagata
- X(twitter) https://x.com/Hiro_MD_MBA
関連リンク
- 株式会社EN https://www.med-pro.jp/en/
医療法人社団季邦会 https://wellness.or.jp/kihokai/