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制度

専攻医プログラムの定員は何名か──掲載3,989件を数えてわかったこと

・ 2026年10月7日 ・更新
専攻医プログラムの定員は何名か──掲載3,989件を数えてわかったこと
この記事の内容 8項目

専攻医プログラムを探しはじめると、まず「このプログラムは何名採るのか」が気になります。ところが定員は募集要項の奥のほうに書かれていることが多く、複数のプログラムを並べて比べるのは手間がかかります。

ResidentStory では、掲載している3,989件のうち3,402件について、募集要項などの一次資料から定員を数値として確認しています。この記事は、その3,402件を集計して見えたことをまとめたものです。数字はすべて2026年10月20日時点の掲載データによります。

専攻医プログラムの定員は何名か?――多くの領域で中央値3〜6名

定員を確認できた割合が60%以上の18領域について中央値を出すと、ほとんどが3〜6名の範囲に収まりました。産婦人科が6名、内科・外科・整形外科・小児科・泌尿器科・放射線科・耳鼻咽喉科が5名、麻酔科・皮膚科・精神科・眼科が4名、救急科・リハビリテーション科・病理・形成外科が3名です。この範囲から外れるのは、総合診療の2名と、後で触れる臨床検査の1名だけでした。

大学病院の大きなプログラムを思い浮かべると意外に感じるかもしれませんが、中央値で見ると専攻医プログラムは小さな集団です。同期が数名という前提で、指導体制やローテーションを考えておくほうが実態に近いことになります。

同じ領域のなかで1名から70名まで開いている

一方で、ひとつの領域のなかでの開きは大きいものがあります。確認できた範囲での最大は外科の70名、内科の60名で、産婦人科と整形外科が40名、麻酔科と総合診療が24名、小児科が22名と続きます。最小は、ここで扱う18領域のすべてで1名でした。

つまり「内科の定員はだいたい何名」という平均像を描くことにはあまり意味がなく、個々のプログラムを見るしかありません。中央値が5名の内科に60名のプログラムがあるというのは、同じ「内科専門研修プログラム」という名前でも規模がまったく違うものが並んでいるということです。

領域によってプログラムの粒の大きさが違う

最大値の違いは、領域ごとの作られ方の違いをそのまま映しています。内科・外科・産婦人科・整形外科には数十名規模の大きな施設群がある一方、救急科とリハビリテーション科は確認できた範囲での最大が10名、眼科と泌尿器科も12名でした。

大きなプログラムは連携施設が多く、ローテーションの選択肢も広くなりがちです。小さなプログラムは指導医との距離が近くなりやすい代わりに、経験できる症例の幅が施設の性格に左右されます。どちらが良いという話ではなく、領域によって選べる形がそもそも違う、ということです。

臨床検査は中央値1名――性質の違う選択肢

例外的に小さいのが臨床検査です。確認できた64件の中央値は1名、最大でも4名でした。合計しても93名です。

これは数が少ないから劣っているという話ではありません。1名ずつ受け入れる形が標準になっている領域だという情報であり、そういう前提で問い合わせや見学を考えることになります。

数字を出せる領域と、出せない領域がある

ここまでの数字には但し書きがあります。定員を一次資料で確認できた割合は領域によって違い、集計の母数が揃っていません。

救急科は278件中277件(99.6%)、リハビリテーション科は100件中99件(99%)、麻酔科は268件中265件(99%)、内科は667件中635件(95%)で確認できています。

一方で、脳神経外科は100件中51件(51%)、社会医学系は111件中39件(35%)にとどまります。この2領域については、確認できた一部だけを集計しても全体像を表さないため、この記事では中央値を出していません。総合診療(456件中339件、74%)と精神科(265件中168件、63%)も、ほかの領域より確認できた割合が低いことに注意してください。

割合の差は調査の進み具合だけによるものではありません。学会が領域ごとにプログラム冊子を公開しているかどうかで、そもそも確認できる情報の量が違います。募集要項に定員が書かれていない領域では、どれだけ調べても数値は出てきません。

掲載件数は都道府県で10倍以上違う

地域別に見ると、掲載件数が最も多いのは東京都の535件で、神奈川県253件、大阪府249件、千葉県220件、愛知県201件と続きます。逆に少ないほうでは秋田県28件、鳥取県29件、和歌山県32件、徳島県・山口県・高知県が各33件でした。

これは医療需要の差というより、基幹施設になれる規模の病院がどれだけあるかの差です。選択肢の数が10倍以上違うということは、地方で特定の領域を選ぼうとすると候補が数件に絞られる場合がある、ということでもあります。早い段階で候補を把握しておく意味は、都市部より地方のほうが大きいかもしれません。

定員の数字は、プログラム選びにどう使えばよいか?

定員は採用のされやすさを直接表すものではありません。定員が多くても応募が集中すれば競争になりますし、定員1名のプログラムでも応募がなければ埋まりません。日本専門医機構の採用は一次・二次・三次と段階があり、1回の募集で応募できるプログラムは1つだけです。

そのうえで定員が役に立つのは、研修環境の規模を推し量る材料としてです。同期が何名になるか、指導医一人あたり何名を見ることになるか、ローテーションの組み方にどれだけ自由度がありそうか。こうしたことは定員の数字からある程度想像がつきます。

この記事の数字について

本文の数値は、ResidentStory が掲載している専攻医プログラム3,989件のうち、募集要項・学会公表資料などの一次資料から定員を数値として確認できた3,402件を、2026年10月20日に集計したものです。確認できていない587件は集計に含めていません。このうち300件は「若干名」「3~5名」のように資料の書き方のまま掲載しているもので、数値として扱えないため集計から外しています。

定員の数値の出どころは、主に次の公開資料です。日本専門医機構の専攻医募集の案内、日本内科学会の都道府県別の内科専門研修プログラム一覧、日本救急医学会の救急科専門医の研修プログラム案内、社会医学系専門医協会の公式サイトのほか、各学会の研修プログラム冊子、都道府県の会議資料、各病院の募集要項です。プログラムごとにどの資料を使ったかは、各プログラムのページの出典欄に記載しています。

初版(2026年10月7日)は、掲載4,258件・定員を確認できた2,547件で集計していました。その後、重複の統合と、学会の一覧から消えたプログラムの掲載終了で掲載件数が減り、県の会議資料・学会の冊子・病院の募集要項で定員の確認が進んだため、数字を入れ替えています。各プログラムのページでは、確認できた数値には根拠となる原文を併記し、確認できていない項目は「要確認」、出典を確認したうえで記載が無かった項目は「出典に記載なし」と区別して表示しています。

掲載データは随時更新しているため、本文の数値は今後変わります。最新の件数はプログラム一覧でご確認ください。領域ごとの比較は救急科専門医のリアルのような領域別のページからも辿れます。

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