第120回医師国家試験を実際に受けて感じたこと

2026年2月7日〜8日に、第120回医師国家試験が実施されました。
本記事では、実際に第120回医師国家試験を受験した医学部6年生の筆者が、試験を振り返って特に印象に残った問題や、受験生の間で意見が割れた「割れ問」、新傾向だと感じた設問をご紹介します。
来年以降に医師国家試験を受験予定の医学生の方はもちろん、「最近の国試はどうなっているの?」と気になる臨床医の先生方にも読んでいただける内容です。

第120回医師国家試験で話題になった問題・割れ問

A26|銀杏中毒(ビタミンB6欠乏)

正解はb.

X(旧Twitter)でも大きく話題になった問題です。銀杏中毒によるビタミンB6欠乏でした。

正直、筆者はこの知識を明確には覚えていませんでした。しかし、

  • 焼き鳥やゆで卵にしては症状発現が早すぎる
  • 刺身による食中毒とも考えにくい
  • 枝豆と銀杏なら、より「クセがありそう」なのは銀杏

という、やや直感的(?)な思考過程で正解にたどり着きました。知識+臨床的推論力が問われた一問だったと感じます。

A57|間質性膀胱炎

正解はb.

間質性膀胱炎を想起させる問題でした。筆者は正直、全く分かりませんでした。

指導医の先生方からも「これはかなり難しい」との声が多く聞かれました。膀胱水圧拡張術という治療法自体がピンと来なかった受験生も多いのではないでしょうか。

A59|ヒドロキシクロロキン

正解はc.

ヒドロキシクロロキンはマラリア治療薬として有名です。SLEにも有効であることは確認していましたが、「まず開始すべき治療」と問われると、迷ってしまった一問です。 SNS上では
「ついに正解選択肢になったか!」
という臨床医の先生方の声も多く見かけました。

B8|教養が問われる必修問題

正解はc.

医学知識というよりも、医師としての基礎的な教養が問われていると感じた問題でした。必修問題として、個人的には非常に良問だと感じています。

B11|性差が話題に

正解はe.

「男子学生が有利では?」と話題になった問題です。「トイレで確認できるじゃん!」とも(笑)。

もっとも、乳がんの触診問題など、女子学生が有利になるケースもありますし、大きな問題ではないと感じました。

C4|定規を使った問題

正解はb.

「試験中に初めて定規を使った」という声が多く聞かれた問題です。視覚的情報の正確な読み取りが求められる、新傾向を感じました。

C11|共用試験(CBT・OSCE)の出題

正解はe.

選択肢に共用試験(CBT・OSCE)が含まれていた問題です。

今年の受験生は、Pre-CC OSCE公的化1年目であったこともあり、その流れを反映した出題だったのかもしれません。

D10|「LINE」に見えた問題

正解はb. こちらもXで話題になった問題です。「ライン」がSNSの LINE のことかと思った、という声も見かけました(笑)。

D16|砕石位かどうかで割れた問題

正解はc.

bとcで意見が割れた問題です。

肛門操作や骨盤内操作が伴うことから、砕石位が正解と考えられるようです。試験後に振り返ってみると、納得感のある問題でした。

D62|免疫チェックポイント阻害薬とirAE

正解はc.

免疫チェックポイント阻害薬による免疫関連有害事象(irAE)が初出題された問題です。

cとeで割れていましたが、「肺癌原発巣の縮小がみられた」ことが中止しない根拠とされています。今後も重要性が増しそうなテーマです。

E17|抜糸がテーマの問題

正解はe.

「この絵は何だ?」と一瞬戸惑った問題です。

縫合ではなく、抜糸が扱われたのは、国試では初めてではないでしょうか。実臨床を意識した出題だと感じました。

E27|今年最も話題になった問題

正解はa.

今年、最も話題になった問題と言っても過言ではないでしょう。

「4月から無理するなよ」という、厚生労働省からの愛あるメッセージを受け取った受験生も多かったのではないでしょうか。

F14|費用対効果の視点

正解はd.

将来的には、自分で費用対効果を計算する問題が出題される日も近いのかもしれません。医療経済の重要性を感じさせる問題でした。

F20|虐待の鑑別

正解はa.

DV、児童虐待、高齢者虐待をきちんと区別して覚える必要性を再認識させられた問題です。知識の整理が重要だと感じました。

第120回医師国家試験を振り返って

この記事を執筆するにあたって改めて問題を眺めてみると、

  • 「なんでこの問題が分からなかったんだ…」
  • 「二択まで絞ったのに、なぜこっちを選んだんだ…」

という問題がいくつもありました。これは、知識が曖昧な部分だったという証拠でもあると思います。

次回の記事では、筆者が第120回医師国家試験に向けて実際に行った対策を、シリーズ形式で詳しくご紹介する予定です。

これから国試を控える医学生の方は、ぜひあわせてご覧ください。

文責:ProDoctorsインターンシップ生(医学部6年)

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