「先生、将来の資産形成について考えたことはありますか?」
日々の診療に追われ、なかなか自分のことまで手が回らない先生も多いかもしれません。
でも、将来の経済的な自由やゆとりのある生活を実現するためには、資産運用が不可欠です。
「投資」と聞くと、難しそう、リスクが高い、と感じるかもしれません。
でも、投資信託は、初心者の方でも始めやすい資産運用の方法の一つです。
今回は、医師の皆様におすすめの投資信託について、さらに具体的な内容に踏み込んで解説していきます。

投資信託とは?

投資信託とは、多くの投資家から集めた資金を、プロの投資家(運用会社)が一括で運用する金融商品です。
集められた資金は、株式や債券など、様々な資産に分散投資されます。
分散投資は、リスクを軽減するための有効な手段です。

例えば、1つの銘柄に集中投資すると、その銘柄の株価が下落した場合、大きな損失を被る可能性があります。
しかし、複数の銘柄に分散投資していれば、1つの銘柄が下落しても、他の銘柄でカバーできる可能性があります。

投資信託のメリット

投資信託には、以下のようなメリットがあります。

  • 少額から始められる:
    ◦数千円から投資できる商品もあり、手軽に始められます。
    ◦まとまった資金がなくても、コツコツと積み立て投資をすることができます。
  • 分散投資ができる:
    ◦複数の資産に分散投資することで、リスクを軽減できます。
    ◦個別の銘柄選びに悩む必要もありません。
  • 専門家に運用を任せる:
    ◦プロの投資家が運用を行うため、投資の知識がなくても安心です。
    ◦ご自身で銘柄分析や売買のタイミングを判断する必要はありません。
  • 時間や手間がかからない:
    ◦投資信託は自動で運用されるため、時間や手間がかかりません。
    ◦多忙な医師の方でも、無理なく続けることができます。

投資信託の種類

投資信託には、様々な種類があります。

  • 株式投資信託
    ◦株式を中心に投資する投資信託です。
    ◦成長性が高い一方、リスクも高い傾向があります。
    ◦積極的にリターンを狙いたい方におすすめです。
  • 債券投資信託:
    ◦債券を中心に投資する投資信託です。
    ◦安定性が高い一方、収益性は低い傾向があります。
    ◦安定的な運用を重視したい方におすすめです。
  • バランス型投資信託:
    ◦株式や債券など、複数の資産に分散投資する投資信託です。
    ◦リスクと収益のバランスを重視したい方におすすめです。
    ◦初心者の方にもおすすめです。
  • EIT(不動産投資信託):
    ◦不動産に投資する投資信託です。
    ◦安定的な家賃収入が期待できます。
    ◦不動産投資に興味がある方におすすめです。
  • その他:
    ◦ETF(上場投資信託): 株式のように証券取引所で売買できる投資信託です。
    ◦MMF(マネー・マネジメント・ファンド): 短期的な運用を目的とした投資信託です。
    ◦コモディティファンド: 金や原油などの商品(コモディティ)に投資する投資信託です。
    ◦ヘッジファンド: 特殊な運用手法を用いて、高いリターンを狙う投資信託です。

 医師におすすめの投資信託

医師の皆様は、日々の診療で多忙なため、時間や手間がかからない投資信託がおすすめです。

  • 全世界株式インデックスファンド
    ◦全世界の株式市場に投資する投資信託です。
    ◦世界経済の成長を享受することができます。
    ◦分散投資効果が高く、リスクを抑えながら安定的なリターンを期待できます。
    ◦代表的な指数としては、「MSCI ACWI」や「FTSE 全世界株式指数」などがあります。
    ◦具体的な商品例としては、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」や「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」などがあります。
  • S&P500インデックスファンド
    ◦アメリカの代表的な株価指数であるS&P500に連動する投資信託です。
    ◦アメリカの株式市場は、世界で最も大きく、成長性も高いです。
    ◦長期的に安定したリターンを期待できます。
    ◦具体的な商品例としては、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」や「SBI・V・S&P500インデックス・ファンド」などがあります。
  • バランス型投資信託
    ◦株式や債券など、複数の資産に分散投資してくれるため、リスクを抑えながら安定的な収益を期待できます。
    ◦特に、初めて投資信託を始める方におすすめです。
    ◦具体的な商品例としては、「○○バランスファンド」や「○○アセットバランスファンド」などがあります。
  • インデックスファンド:
    ◦特定の指数(例:日経平均株価、TOPIX)に連動する運用成果を目指す投資信託です。
    ◦手数料が低いため、長期投資に適しています。
    ◦具体的な商品例としては、「○○インデックスファンド」や「○○TOPIXインデックスファンド」などがあります。

投資信託の選び方

投資信託を選ぶ際には、以下の点に注意しましょう。

  • 手数料:
    ◦投資信託には、購入時手数料、運用管理費用(信託報酬)、解約時手数料など、様々な手数料がかかります。
    ◦手数料が低い投資信託を選びましょう。
    ◦特に、信託報酬は、毎年かかる費用なので、注意が必要です。
  • 運用実績:
    ◦過去の運用実績を参考に、投資信託の運用能力を確認しましょう。
    ◦ただし、過去の運用実績は、将来の運用成果を保証するものではありません。
  • リスク:
    ◦投資信託には、元本割れのリスクがあります。
    ◦ご自身のリスク許容度に合わせて、投資信託を選びましょう。
    ◦一般的に、株式投資信託はリスクが高く、債券投資信託はリスクが低い傾向があります。
  • 純資産額:
    ◦純資産額が大きい投資信託は、運用が安定している傾向があります。
  • 運用会社:
    ◦運用会社の運用体制や実績も確認しましょう。

投資信託の始め方

投資信託は、証券会社や銀行などで購入できます。

  1. 口座開設:
    ◦証券会社または銀行に口座を開設します。
    ◦最近では、ネット証券が手数料も安く、おすすめです。
  2. 商品選択:
    ◦ご自身の投資目標やリスク許容度に合わせて、投資信託を選びます。
    ◦迷ったら、証券会社の担当者に相談するのも良いでしょう。
  3. 購入:
    ◦投資信託を購入します。
    ◦積立投資の場合は、毎月一定額を自動的に購入する設定ができます。

※医師の皆様におすすめのネット証券は、以下の2社です。

  • SBI証券
    ◦手数料の安さ: 株式取引手数料は業界最低水準で、投資信託の取扱本数も豊富です。
    ◦豊富な商品ラインナップ: 国内株式、外国株式、投資信託、債券、FXなど、幅広い商品を取り扱っています。
    ◦使いやすい取引ツール: 高機能な取引ツール「HYPER SBI」や、初心者にも使いやすいスマホアプリ「SBI証券アプリ」を提供しています。
    ◦情報収集力: 投資情報やマーケット分析レポートが充実しており、情報収集にも役立ちます。
    SBI証券の公式サイト
  • 楽天証券
    ◦楽天ポイントが貯まる・使える: 楽天グループのサービス利用で楽天ポイントが貯まり、投資信託の購入や株式取引の手数料に利用できます。
    ◦豊富な商品ラインナップ: 国内株式、外国株式、投資信託、債券、FXなど、幅広い商品を取り扱っています。
    ◦使いやすい取引ツール: 高機能な取引ツール「MARKETSPEED」や、初心者にも使いやすいスマホアプリ「楽天証券アプリ」を提供しています。
    ◦楽天エコシステム: 楽天銀行との連携や、楽天証券ポイントプログラムなど、楽天グループのサービスとの連携が充実しています。
    楽天証券の公式サイト

どちらの証券会社も、手数料が安く、豊富な商品ラインナップと使いやすい取引ツールを提供しています。
ご自身の投資スタイルや重視するポイントに合わせて、どちらか一方を選ぶと良いでしょう。

どちらを選ぶか迷ったら?

  • 手数料の安さを重視するなら: SBI証券
  • 楽天ポイントを貯めたい・使いたいなら: 楽天証券
  • 初めてネット証券を利用するなら: どちらも使いやすいので、ご自身の直感で選んでも大丈夫です。

補足

  • ネット証券は、店舗に行く必要がなく、オンラインで口座開設から取引まで完結できます。
  • 口座開設は無料なので、まずは両方の証券会社の口座を開設して、使い勝手を試してみるのもおすすめです。

まとめ

投資信託は、初心者でも手軽に始められる資産運用の方法です。
少額から始められ、分散投資もできるため、リスクを抑えながら安定的な資産形成を目指せます。
ぜひ、今回のブログを参考に、ご自身に合った投資信託を見つけて、未来のための資産運用を始めてみましょう。

次回のテーマ:医師のための株式投資入門:基礎知識から銘柄選定まで

株式投資に興味がある医師の皆様に向けて、基礎知識から銘柄選定まで、具体的な方法を解説していきます。 個別株投資で、より積極的に資産を増やしたい先生は、必見です!

ぜひ、次回の更新をお楽しみに!

2025/04/03
著者:鎌形博展
医師、株式会社EN 代表取締役、医療法人社団季邦会 理事長、東京医科大学病院 非常勤医師

東京都出身。埼玉県育ち。
明治薬科薬学部を卒業後、中外製薬会社でMRとなるも、友人の死をきっかけに脱サラして、北里大学医学部へ編入する。
卒業後は東京医科大学病院救命救急センターにて救急医として従事。2017年には慶應義塾大学大学院にて医療政策を学び、MBAを取得。東北大学発医療AIベンチャー、東京大学発ベンチャーを起業した他、医療機器開発や事業開発のコンサルティングも経験。2019年、うちだ内科医院を継承開業。以降、2020年に医療法人季邦会(美谷島内科呼吸器科医院)を継承し、2021年には街のクリニック 日野・八王子を新規開業。2023年には株式会社EN創業。国際緊急援助隊隊員・東京DMAT隊員・社会医学系専門医。趣味はBBQ。43歳で剣道・フェンシングを再開

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