中国医学部への留学は、学費の安さや将来のキャリアの幅を広げられる点で魅力的な選択肢です。しかし実際に留学した学生からは、「想像以上に大変だった」「準備不足で後悔した」といった声も少なくありません。本記事では、中国医学留学における主なデメリットやトラブル事例、それらを乗り越えるための対策や心構えを、体験談や現地のリアルな情報を交えてわかりやすく解説します。

中国医学留学のデメリットとは?

1.言語・文化の壁

中国医学部では、中国語での授業や病院実習が中心です。HSKで高得点を取得していても、医学用語や方言、患者との会話には別のスキルが求められます。特に実習になると、臨機応変な対応力が必要です。

<対策>
・入学前から医療用語を含む中国語を継続的に学習する。
・中国のドラマや動画などを見て、実践的なリスニング力を養う(bilibiliなど日本でいうYouTubeのようなアプリがおすすめ)。また、語学学習アプリ(HelloTalk、Duolingoなど)を利用する。
・会話力を高めるために、中会話の授業や中国人が集まるコミュニティに積極的に参加し、日常的に中国語で会話する機会を増やす。
・医学汉语や医用汉语など、実習で使える表現が学べる教材・動画を活用する。

2.学習内容や進行スピードの違い

中国の医学部では、実習以外は講義形式が中心ですが、学生の発言や質問も活発で、グループディスカッションや発表の機会も多くあります。日本と比べて授業の進行スピードが速く、専門用語が多いため、初めは内容についていけないと感じることも。さらに試験範囲が広く、1回の試験の結果が成績に大きく影響するため、日々の予習・復習が非常に重要になります。

<対策>
※以前の記事「中国医学留学のリアルな体験談」で紹介した内容も一部再掲

  1. 予習
    字幕付き映像授業や教材を活用し、読めない単語にはピンインを振る。

    <おすすめ教材・アプリ>
    ・医学教育网/昭昭医考(映像授業+教材・問題集)
    ・贺银成(方言が強めだが教材は良質)
    ・医考帮/丁香医考(問題演習アプリ)
    ・bilibili(医学生や医師による動画が豊富)
  2. 授業中の対応
    ・事前準備を徹底し、授業中の理解度を高める。
    ・不明点は遠慮せず、友人や中国人学生に質問する。
  3. 復習
    授業後すぐに内容を整理し、まとめノートやマインドマップを作成して効率的に復習する。

    <おすすめアプり>
    ・ノート・マインドマップ作成:Notion、XMind、GoodNotesなど
    ・文字起こしアプリ:讯飞听见、搜狗听写など(聞き取り補助に有効)
  4. 自分に合った学習スタイルを確立
    ・方法①:日本語教材(Medilink、Med4など)で先に理解 → 中国語教材で復習
    ・方法②:最初から中国語教材・授業を活用して学ぶ
    いずれの場合も、日々の予習・復習が鍵
  5. 試験対策
    ・問題集(医考帮、丁香医考など)で反復演習。
    ・優秀な学生のノートやまとめを参考に効率よく学習。
  6. 授業の進行スピードに対応するために
    ・授業後すぐに復習し、その日のうちに不明点を解消する。
    ・グループディスカッションや発表には積極的に参加し、実践的な中国語力を高める。
    ・録音やスライドを活用して、自分のペースで復習・補強学習を行う。
生活環境・医療制度の違い

食事や気候、衛生面など、日常生活の環境に不便を感じることも少なくありません。また、中国の医療制度は日本とは大きく異なるため、戸惑うこともあります。

<対策>
・トイレットペーパーは基本的に流せないため注意する。また、お手洗いにはトイレットペーパーがない場合が多いため、常にティッシュを持ち歩く。
・北方地域は非常に乾燥するため、保湿対策をしっかりと。(私自身、準備不足で肌も唇もカサカサになりました。)
・支払いはスマホ決済が主流なので、充電切れや端末紛失への備えが必要。
・公共の場で大声の会話や電話に戸惑うこともあるが、文化の違いとして慣れていく努力をする。
・空気の悪い日はマスクを着用し、外出を控える。
・医療保険の条件や病院の利用方法を事前に確認。(一定金額以上で保険適用などのルールあり。)
など

トラブル事例とその対策

【事例1】大学側の対応が不透明な時がある

試験日や形式が突然変更されたり、連絡が遅くて不安になることも。大学事務や教員とのやり取りには、柔軟さと自己管理力が求められます。

<対策>
・よく使う問い合わせ文は中国語であらかじめ用意しておく。
・在校生や先輩留学生とのつながりを活用。
・留学生担当の先生や各科目の担当教員との連絡手段を確保しておく。

【事例2】病院実習での困難

病院では日本人一人で実習に参加することも多く、現地の学生や患者さんとの交流が難しいと感じる人もいます。

<対策>
・自分から積極的に話しかける姿勢を持つ。
・「見学する」だけでなく、「自分がどう関わるか」を意識して行動する。
・「これをやりたい」と意思表示をすると、多くの先生や先輩が協力してくださるので、最初は大変に感じるかもしれませんが、自発的に行動して徐々に慣れていく。
・医療現場で通用する発音・語彙を中心に、中国語をしっかり勉強する。

【事例3】国家試験の要件に合わない可能性

中国医学部卒業後に日本の医師国家試験を受ける場合、医師国家試験の受験資格に満たない可能性があります。
(例:医学校の教育年限及び履修時間が要件を満たしていない)

<対策>
・医師国家試験受験資格認定に必要な要件を事前に詳しく調べる。
・日本で医師資格を取得した先輩の体験談を参考にする。

失敗しないための準備と心構え

  1. 情報収集を徹底する
    大学によって制度やカリキュラムは大きく異なるため、自分の目的や学習スタイルに合った学校を選ぶことが大切です。また、食事、住環境なども異なるため、現地の情報をリサーチし、柔軟に適応できるように準備しておきましょう。
  2. 目的意識を持つ
    「中医学を学びたい」「国際的な医師を目指したい」など、明確な目標があれば困難にも向き合いやすくなります。
  3. 自立心と柔軟性を持つ
    海外では「やってもらう」ではなく「自分で解決する」姿勢が求められます。流されない自分軸と、積極的に発言する力も大切です。そして、成功の鍵は、自己管理能力と柔軟な対応力です。

まとめ

中国医学留学のデメリットを理解し、対策で乗り越えよう

中国医学留学には、言語の壁や教育・生活環境の違いといったハードルがあります。しかし、事前の準備と正しい心構えがあれば、それらは乗り越えられます。留学を「成功体験」に変えるために、しっかりと自分自身と向き合いながら準備を進めましょう。

Xも日々更新しております!
最新記事掲載時は、Xでご案内いたします!
ぜひフォローを宜しくお願いします。

Visited 3 times, 1 visit(s) today