中国での医学留学は、多くの留学生にとって新たな挑戦であり、魅力と難しさが共存します。私自身、海外で学ぶことや医学への関心が深まり、中国での医学留学を決意しました。今回は、実際の体験をもとに、中国医学留学のリアルな生活や勉強法について詳しくお伝えします。

なぜ中国医学留学を選んだのか?

私にとって、海外での留学経験は人生の大きな転機でした。小学校や高校時代の留学を通じて、新しい環境で挑戦する楽しさを知り、その後、医学の道へ進む決意をしました。数ある選択肢の中で、中国医学留学を選んだ理由は以下の通りです。

  • 中国語の習得:中国語を学ぶことで、日中の医療交流に貢献したり、国際的な医療現場で有利になると考えた
  • 多様な学習環境:西洋医学と中医学の両方を学べる貴重な機会
  • 急成長する医療技術:中国は医療技術が急速に発展しており、特にAI技術の最前線を体験できる点に魅力を感じた
  • 経済的な負担が軽い:日本の私立医学部と比較して学費が安く、奨学金制度も充実
  • 国際的なネットワーク:多国籍の学生と学ぶことで、グローバルな人脈を築ける
  • 豊富な臨床経験:患者数が多く、多様な症例に触れられる
  • 医学文献へのアクセス:中国語を理解することで、最新の医学研究に直接触れられる

留学生の1日のスケジュール

中国の医学部には、中国語コースと英語コースの2種類があります。

  • 中国語コース:授業や実習はすべて中国語で行われ、現地の学生と一緒に学ぶ
  • 英語コース:授業は英語だが、実習や病院研修では中国語が必要になることが多い

私は中国語コースに所属しているので、そこでの1日のスケジュールを紹介します。

中国の医学部での生活は非常に規律正しく、忙しい日々が続きます。
典型的な1日のスケジュールは以下の通りです。(大学によって異なります。)

主に講義のみの場合
時間帯内容
8:00-12:00午前の授業(基礎医学・一般教養)
12:00-13:00昼食(学食・デリバリー・自炊)+休憩
13:00-17:00午後の授業
自主学習(復習・予習・語学学習)
17:00以降選択授業(受講者のみ)※外出する人もいる
病院実習の場合(診療科によって時間帯に差がある)
時間帯内容
7:30-8:00頃カンファレンス、回診。指導医や研修医の指導を受け、指示された業務をこなす。
先生たちと食事、または各自デリバリーで昼食を取る。
17:00頃指導や業務が終了次第、帰宅。
夜勤のある科では引き続き業務に参加。
17:00以降学習(復習・予習・語学学習)
選択授業(受講者のみ)※外出する人もいる

語学の壁と勉強のコツ

中国語をマスターすることは、医学留学における大きな課題の一つです。最初の数年は集中的に中国語の授業がありますが、その後はそうした授業がなくなり、医学用語を中国語で学ぶことのみになるため、言語の壁を乗り越えるための努力が求められます。

語学の壁

最初は中国語の専門用語に苦労しましたが、自主学習や予科班(語学+理数系科目)での集中学習、現地での会話練習を通じて徐々に克服しました。

勉強のコツ

1.基礎固め
・基礎的なテキストやオンライン授業で文法や発音を学んだ後、HSK対策本を活用。
 私は以下のテキストで勉強しました。HSK対策本はテキストに加えて、過去問、単語帳なども使用いたしました。
 また、予科班での語学授業もかなり役に立ちました。

・語学学習アプリ(HelloTalk、Duolingoなど)を使う。

2.授業への対応
・予習:字幕付き映像授業や教材で学び、読めない単語にはピンインを振る。
 以下はおすすめの映像授業や教材、学習アプリです。

医学教育网
映像授業に加えて、テキストや問題集のアプリも活用できる
昭昭医考
映像授業に加えて、テキストや問題集のアプリも活用できる
贺银成
映像授業は方言が強いため、留学生は聞き取りにくいですが、教材はかなり活用できる
医考帮
問題が解けるアプリ
丁香医考
問題が解けるアプリ
bilibili
日本でいうYouTubeのようなプラットフォームがあり、医学生や医師による解説動画も豊富に公開されているため、勉強の補助ツールとして活用できる

・授業中:先生の話を理解するため、事前準備を徹底。わからない部分は友人や中国人学生に質問。
・復習:授業後すぐに内容を整理し、まとめノートやマインドマップを作成。
 以下はおすすめのノートやマインドマップ作成アプリです。

・補助ツール:聞き取れない場合は、文字起こしアプリで内容を可視化。
 以下はおすすめの文字起こしアプリです。

3.自分に合った学習法を確立
・方法①:まず日本語の教科書や映像授業で理解(MedilinkやMedu4などがおすすめ)
その後、中国語教材で学び直す(昭昭医考、贺银成、医学教育网、医考帮、丁香医考、学校が使用している教科書などがおすすめ)
・方法②:最初から中国語の教材・映像授業を活用。(昭昭医考、贺银成、医学教育网、医考帮、丁香医考、学校が使用している教科書などがおすすめ)
・どちらでも、日々の予習・復習が鍵

4.試験対策
・類似問題や問題集を解く。(医考帮、丁香医考などがおすすめ)
・優秀な中国人学生のまとめノートを参考にする。

これらを実践することで、授業についていけるようになり、中国語の壁を克服することができます。

現地生活のリアル(寮・食事・文化の違い)

中国の生活は、食事や文化面で日本と大きく異なる点が多く、最初は戸惑うこともありました。

寮生活

・留学生専用の寮があり、設備は比較的シンプル
・手続きが簡単でセキュリティや修理対応が整っており、安全で便利
・友人との交流がしやすいが、一人暮らしに比べてプライバシーの確保が難しい

食事

・日本と似た部分もあるが、スパイシーや辛い料理が多い
・最初は戸惑ったが、次第に慣れ、美味しく感じるように

文化の違い

中国では、日本と異なる文化や習慣が多く、最初は驚くことも

例えば
・トイレットペーパーをトイレに流してはいけない
・空港だけでなく、電車でも荷物チェックがある
・「おはようございます」、「こんにちは」、「こんばんは」に加えて、「はじめまして」、「すいません(店員さんを呼ぶ時などに限る)」というようなものが全て「ニーハオ」で通じる
・春節の期間は家族と一緒に過ごすというのが中国の風習なので、この期間はみんな故郷に帰ってしまい、開店しているお店が少ない
・中国人はとてもフレンドリーな人が多く、よく話しかけられる
・中国では他人に対しては厳しい代わりに、家族や友人などの身内はものすごく大事にする。仲良くなると本当の家族みたいに扱ってくれる
・エスカレーターは右側に立つ
・日中両国では1~5を表す時、手振りは同じだが、6~10までの数字を表す時は全然違う(全部片手で出来るのでとても便利)

出典: https://www.ccctok.com/pickup/%e4%b8%ad%e5%9b%bd%e5%bc%8f%e6%89%8b%e6%95%b0%e5%ad%97/

など、現地の文化を理解し、適応することが大切だと感じました。

日本の医学部との違い

中国の医学部と日本の医学部の大きな違いは、教育システムやカリキュラムの内容です。中国では、実際の臨床実習が早い段階から始まることが多く、現場経験を早期に積むことができます。患者数も多いため、多くの症例に触れられます。また、中医学の授業も含まれており、医学の多様な視点を学べる点が特徴です。

授業は中国語?英語?どちらが多い?

中国の医学部では、ほとんどの授業が中国語で行われます。しかし、留学生向けには英語のコースも提供されている大学もあります。英語のコースでも現地の病院で実習をするのであれば、中国語能力は必要になります。私の場合、初めは予科班というところで中国語と理数系科目(中国語で)の授業を受け、語学力の向上を図り、その後入試に値する試験を受けて、医学部入学をいたしました。

生活費

中国の生活費は、日本と比べると非常に安価です。特に食費や交通費が安く、学生生活を支えるためのコストを抑えることができます。

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