クリニックの集患戦略において、広告は認知度向上と来院促進のための重要な手段です。しかし、広告の種類は多岐に渡り、闇雲に広告を出せば良いというものではありません。

今回は、クリニックの広告戦略について、ターゲット層、広告媒体、クリエイティブ、効果測定など、重要なポイントを絞って解説していきます。

誰に届けたい?ターゲット層を明確にする

広告戦略を立てる上で、最も重要なのはターゲット層を明確にすることです。

  • 年齢層、性別、ライフスタイル、地域性など、どのような患者さんに来てほしいのか、具体的な人物像を設定しましょう。
  • ターゲット層が普段どのようなメディアに触れているのか、行動パターンも把握しましょう。

ターゲット層を明確にすることで、最適な広告媒体やクリエイティブを選ぶことができます。

どこに届ける?最適な広告媒体を選ぶ

広告媒体は、ターゲット層や予算に合わせて選びましょう。

オフライン広告
  • 看板広告: 駅や交差点など、視認性の高い場所に設置することで、認知度向上に繋がります。
  • チラシ・パンフレット: 地域住民向けのポスティングや配布により、地域密着型のクリニックをアピールできます。
  • 地域情報誌: 地域の情報誌に広告掲載することで、地域住民への訴求力を高めることができます。
  • 新聞広告: 地域新聞に広告掲載することで、高齢者層への訴求力を高めることができます。
オンライン広告
  • ホームページ: クリニックの顔となるホームページは、SEO対策をしっかりと行い、検索エンジンからの流入を増やしましょう。
  • ポータルサイト: 地域の医療機関検索サイトなどに登録することで、患者さんの目に触れる機会を増やしましょう。
  • リスティング広告: 検索キーワードに連動して広告を表示させることで、検索意欲の高い患者さんにアプローチできます。
    ◦クリック単価(CPC) を考慮し、費用対効果の高いキーワードを選定しましょう。
    ◦コンバージョン を増やすために、広告文やランディングページを最適化しましょう。
  • ディスプレイ広告: Webサイトやアプリ上に広告を表示させることで、幅広い層にアプローチできます。
  • SNS広告: Facebook、Instagram、Twitterなど、ターゲット層に合わせたSNSで広告配信することで、効率的にリーチできます。

何を伝える?魅力的なクリエイティブを作成する

広告媒体が決まったら、次はクリエイティブを作成します。

  • キャッチコピー: 患者さんの目を引く印象的なキャッチコピーを考えましょう。
  • デザイン: クリニックのイメージに合ったデザインにしましょう。
  • 写真・動画: クリニックの雰囲気や医師・スタッフの顔が見える写真や動画を効果的に使用しましょう。
  • 情報: クリニックの強みや特徴、診療内容、アクセス情報などを分かりやすく伝えましょう。

クリエイティブは、ターゲット層に響く内容であることを意識しましょう。

広告効果を測定する

広告を出した後は、効果測定を行いましょう。

  • アクセス数: ホームページやポータルサイトへのアクセス数、広告のクリック数などを計測しましょう。
  • 予約数: 広告を見て予約した患者さんの数を計測しましょう。
  • アンケート: 患者さんにアンケートを取り、広告を見たかどうか、どの広告媒体を見たかなどを確認しましょう。

効果測定の結果を分析し、改善点を改善していくことで、より費用対効果の高い広告戦略を実現できます。

WEBマーケティングの基本

クリニックの集患戦略において、WEBマーケティングは欠かせない要素です。

  • SEO対策: 検索エンジン最適化を行い、オーガニック な流入を増やしましょう。
  • リスティング広告: 検索キーワードに連動した広告を配信し、効率的に集患しましょう。
  • コンテンツマーケティング: ブログやSNSで有益な情報を発信し、潜在顧客を惹きつけましょう。
  • LTV(Life Time Value): 患者さんの生涯価値を理解し、長期的な視点で集患戦略を立てましょう。

まとめ

広告戦略は、クリニックの認知度向上と集患数増加のための重要な手段です。

ターゲット層を明確にし、最適な広告媒体を選び、魅力的なクリエイティブを作成し、効果測定を行うことで、費用対効果の高い広告戦略を実現できます。

WEBマーケティングの基本を理解し、効果的な施策を実行することで、より多くの患者さんをクリニックに誘導できるでしょう。

次回予告:「地域との繋がりを深める!広報戦略で信頼度アップ!

クリニックの集患戦略、広告だけではありません!
地域住民との信頼関係を築くことも、集患に繋がる重要な要素です。

「地域の人たちに、もっとクリニックのことを知ってもらいたい!」
「地域との繋がりを深めたい!」

…そう思っている方は必見です!

次回は、広報戦略について徹底解説!
地域に愛されるクリニックになるための、とっておきの方法をご紹介します。
地域との絆を深めて、信頼されるクリニックを目指しましょう!

2025/04/03
著者:鎌形博展
医師、株式会社EN 代表取締役、医療法人社団季邦会 理事長、東京医科大学病院 非常勤医師


東京都出身。埼玉県育ち。
明治薬科薬学部を卒業後、中外製薬会社でMRとなるも、友人の死をきっかけに脱サラして、北里大学医学部へ編入する。
卒業後は東京医科大学病院救命救急センターにて救急医として従事。2017年には慶應義塾大学大学院にて医療政策を学び、MBAを取得。東北大学発医療AIベンチャー、東京大学発ベンチャーを起業した他、医療機器開発や事業開発のコンサルティングも経験。2019年、うちだ内科医院を継承開業。以降、2020年に医療法人季邦会(美谷島内科呼吸器科医院)を継承し、2021年には街のクリニック 日野・八王子を新規開業。2023年には株式会社EN創業。国際緊急援助隊隊員・東京DMAT隊員・社会医学系専門医。趣味はBBQ。43歳で剣道・フェンシングを再開。

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