クリニック開業に向けて、着々と準備が進んでいることと思います。 物件探しや資金調達と並んで、開業準備の要となるのが「事業計画書」の作成です。

「事業計画書なんて、堅苦しくて難しそう…」
そう思っていませんか?

確かに、事業計画書の作成には、ある程度の時間と労力が必要です。
しかし、事業計画書は、単なる書類ではありません。

それは、あなたのクリニックの未来地図であり、夢を形にするための設計図なのです。

今回は、事業計画書とは何か、なぜ必要なのか、そしてどのように作成するのかを、具体的に解説していきます。

事業計画書とは?

事業計画書とは、クリニックの経営理念、事業内容、収支計画、資金計画などを具体的に記した文書です。
いわば、クリニックの未来予想図であり、航海の羅針盤となるものです。
事業計画書を作成することで、

  • 開業前に、クリニックの全体像を明確にできる
  • 経営目標を達成するための道筋を立てられる
  • 資金調達をスムーズに行える
  • 経営状況を把握し、改善を図れる

といったメリットがあります。

なぜ事業計画書が必要なのか?

事業計画書は、クリニック開業において、以下の3つの点で特に重要です。

  1. 開業準備の指針となる
    事業計画書を作成することで、開業前に、クリニックのコンセプト、ターゲット、診療内容、収支計画などを明確にできます。 これにより、開業準備をスムーズに進め、迷いや無駄を減らすことができます。
  2. 資金調達を有利に進める
    金融機関から融資を受ける際に、事業計画書は必須の書類です。 事業計画書の内容が、融資の可否や融資額に大きく影響します。 説得力のある事業計画書を作成することで、融資を有利に進めることができます。
  3. 開業後の経営を安定させる
    開業後は、事業計画書を基に、実際の経営状況を把握し、計画とのずれを分析することで、経営改善を図ることができます。 事業計画書は、クリニックの成長を支える、重要なツールとなるのです。

事業計画書に盛り込むべき内容

事業計画書には、一般的に以下の内容を盛り込みます。

  • 基本情報: クリニック名、所在地、診療科目、院長名など
  • 経営理念: クリニックの理念、ビジョン、目指す姿
  • 事業内容: 診療内容、サービス内容、ターゲット層、差別化戦略など
  • 市場分析: 人口動態、医療ニーズ、競合状況など
  • 収支計画: 売上計画、費用計画、利益計画など
  • 資金計画: 開業資金、調達方法、返済計画など
  • 組織体制: スタッフ構成、役割分担など
  • リスク管理: リスク対策、緊急時対応など

事業計画書作成のポイント

事業計画書を作成する際のポイントは、以下の通りです。

  • 具体的に書く: 抽象的な表現ではなく、具体的な数字や根拠を盛り込む。PLについてはエクセルファイルも添付すると良いでしょう。
  • 論理的に書く: 計画の整合性、実現可能性を明確にする
  • 分かりやすく書く: 専門用語を避け、簡潔で読みやすい文章にする
  • 将来を見据える: 短期的な計画だけでなく、長期的な展望も示す
  • 定期的に見直す: 状況の変化に合わせて、計画を見直す

事業計画書作成のサポート

事業計画書の作成に自信がない場合は、専門家(税理士、コンサルタントなど)に相談するのも良いでしょう。
また、インターネット上には、事業計画書のテンプレートやサンプルが公開されているので、参考にすると良いでしょう。

まとめ

事業計画書は、クリニック開業を成功させるための重要なツールです。
時間をかけて、しっかりと作成することで、開業準備をスムーズに進め、開業後の経営を安定させることができます。
事業計画書は、あなたの夢を形にするための設計図です。
ぜひ、この機会に、あなたのクリニックの未来を描き、事業計画書を作成してみましょう。

次回予告:「内装・設計:患者様もスタッフも快適に」

皆さん、こんなこと考えたことありませんか?
– 待合室でリラックスできる空間って?
– 診療室がもっと快適だったらいいのに!
– スタッフの働きやすい環境ってどうすれば?

次回は内装や設計についてお話しします。医療現場では、治療の質を高めるために、空間デザインがとても大事なんです。患者様もスタッフも快適に過ごせる空間づくりを一緒に考えましょう。
快適で効率的な医療環境を実現するためのヒントがたくさん得られると思います。

お楽しみに!

2025/03/31
著者:鎌形博展
医師、株式会社EN 代表取締役、医療法人社団季邦会 理事長、東京医科大学病院 非常勤医師


東京都出身。埼玉県育ち。
明治薬科薬学部を卒業後、中外製薬会社でMRとなるも、友人の死をきっかけに脱サラして、北里大学医学部へ編入する。
卒業後は東京医科大学病院救命救急センターにて救急医として従事。2017年には慶應義塾大学大学院にて医療政策を学び、MBAを取得。東北大学発医療AIベンチャー、東京大学発ベンチャーを起業した他、医療機器開発や事業開発のコンサルティングも経験。2019年、うちだ内科医院を継承開業。以降、2020年に医療法人季邦会(美谷島内科呼吸器科医院)を継承し、2021年には街のクリニック 日野・八王子を新規開業。2023年には株式会社EN創業。国際緊急援助隊隊員・東京DMAT隊員・社会医学系専門医。趣味はBBQ。43歳で剣道・フェンシングを再開。

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