「クリニックを開業したい!」
そう思った時、最初にぶつかる壁、それは資金調達かもしれません。

「一体、いくらくらい必要なんだろう?」
「どうやって資金を集めればいいんだろう?」

そんな不安や疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか?

今回は、クリニック開業における資金調達について、必要な資金、調達方法、注意点などを詳しく解説します。

開業資金:一体いくら必要?

クリニックの開業資金は、規模、科目、場所、設備などによって大きく異なります。
一般的には、数千万円〜数億円規模になることが多いでしょう。
内訳としては、以下の通りです。

  • 物件取得費
    ◦賃料:月額数十万円〜数百万円
    ◦敷金・礼金:賃料の3〜6ヶ月分
    ◦仲介手数料:賃料の1ヶ月分
    ◦保証金:賃料の6〜12ヶ月分
    ◦前家賃:賃料の1ヶ月分
    ◦その他:火災保険料、鍵交換費用など
  • 内装費
    ◦内装工事費:坪単価50万円〜100万円
    ◦家具・備品:数百万円〜数千万円
  • 医療機器費
    ◦医療機器の購入費:数百万円〜数億円
    ◦リース料:月額数万円〜数百万円
  • 人件費:
    ◦スタッフの給与:月額数十万円〜数百万円
    ◦採用費:数十万円〜数百万円
  • 広告費
    ◦ホームページ作成費:数十万円〜数百万円
    ◦広告宣伝費:数十万円〜数百万円
  • 運転資金:
    ◦開業後の運営に必要な費用(家賃、光熱費、人件費など):3〜6ヶ月分の費用

これらの費用を合計すると、開業資金の目安が見えてきます。

資金調達方法:どんな方法がある?

クリニックの資金調達方法は、主に以下の3つがあります。

  1. 自己資金
    最も確実な資金調達方法ですが、全額を自己資金で賄うのは難しい場合が多いでしょう。
    一般的に、融資を受ける際には、開業資金の2〜3割程度の自己資金が必要と言われています。ただし必須ではありません。
  2. 融資
    金融機関(銀行、信用金庫、日本政策金融公庫など)から融資を受ける方法です。
    融資を受けるには、事業計画書や返済計画書などを提出し、審査に通る必要があります。
    担保や保証人が必要となる場合もあります。
  3. 助成金・補助金
    国や地方自治体から、クリニック開業を支援する助成金や補助金が支給される場合があります。
    制度の内容や申請条件をよく調べて、活用できるものがあれば積極的に申請しましょう。
    例えば、
    ◦医療施設開設資金貸付制度(福祉医療機構):医療施設の開設に必要な資金を低金利で融資する制度
    ◦新創業融資制度(日本政策金融公庫):創業者に資金を低金利で融資する制度
    ◦小規模事業者持続化補助金(中小企業庁):小規模事業者が行う事業の持続的な発展を支援するための補助金
    ◦地方自治体独自の開業支援制度:医師不足地域では開業資金を一部から全額負担する制度があることがあります

融資を受ける際の注意点

融資を受ける際には、以下の点に注意しましょう。

  • 金利: 金利は返済総額に大きく影響するため、低い金利の融資を選びましょう。
    一般的には、2〜4%程度の金利で融資を受けることができます。医院の場合は1%を切ることも珍しくありません。
  • 返済期間: 返済期間は、無理のない範囲で設定しましょう。
    一般的には、5〜10年程度の返済期間で融資を受けることができます。医院の場合は15年などの長期で借り入れられることも珍しくありません。
  • 担保・保証人: 担保や保証人が必要な場合は、事前に準備しておきましょう。
  • 審査: 融資を受けるには、審査に通る必要があります。事業計画書や返済計画書をしっかりと作成し、信用力を高めておきましょう。

助成金・補助金制度の活用

助成金・補助金制度は、返済不要な資金調達方法として、積極的に活用したいものです。
しかし、制度の内容や申請条件は頻繁に変わるため、最新の情報を収集するように心がけましょう。
地方自治体の窓口や専門家に相談するのも良いでしょう。

金計画:開業後のことも考える

資金調達は、開業時の費用だけでなく、開業後の運営費用も考慮して計画しましょう。
運転資金が不足すると、経営が立ち行かなくなる可能性があります。
最低でも3〜6ヶ月分の運転資金を確保しておくと安心です。可能であれば、借りられるだけ借りておくのが良いと思われます。

まとめ

クリニック開業における資金調達は、複雑で時間もかかるプロセスです。
早めに情報収集を始め、専門家にも相談しながら、計画的に進めていきましょう。
顧問契約を前提に、サービスで介入してくれる税理士も多いです。資金調達を成功させ、あなたの理想のクリニックを実現させてください。

次回予告:「事業計画書は、クリニックの未来地図! ー あなたの夢を形にする設計図」

「事業計画書って、一体何を書けばいいの?」
「どうやって金融機関に納得してもらえる事業計画書を作れるの?」

この回では、事業計画書の重要性や構成要素について、楽しくわかりやすく説明します。さらに、作成する際に押さえておきたいポイントや、具体的な内容もお伝えします。

事業計画書の目的は、資金調達だけでなく、クリニックの方向性を明確にし、経営の指針となること。成功するクリニック経営の第一歩として、しっかりとした事業計画書を作成するためのヒントと実践的なアドバイスをお届けします。

さあ、一緒にあなたのクリニックの夢を具体的な形にしてみましょう!第7回をお楽しみに!

2025/03/31
著者:鎌形博展
医師、株式会社EN 代表取締役、医療法人社団季邦会 理事長、東京医科大学病院 非常勤医師


東京都出身。埼玉県育ち。
明治薬科薬学部を卒業後、中外製薬会社でMRとなるも、友人の死をきっかけに脱サラして、北里大学医学部へ編入する。
卒業後は東京医科大学病院救命救急センターにて救急医として従事。2017年には慶應義塾大学大学院にて医療政策を学び、MBAを取得。東北大学発医療AIベンチャー、東京大学発ベンチャーを起業した他、医療機器開発や事業開発のコンサルティングも経験。2019年、うちだ内科医院を継承開業。以降、2020年に医療法人季邦会(美谷島内科呼吸器科医院)を継承し、2021年には街のクリニック 日野・八王子を新規開業。2023年には株式会社EN創業。国際緊急援助隊隊員・東京DMAT隊員・社会医学系専門医。趣味はBBQ。43歳で剣道・フェンシングを再開。

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