「勤務医として、日々の激務に追われながらも、将来への不安を抱えているあなたへ。 あるいは、やっと手に入れた自由な時間で、これからどうやって資産を増やしていこうか悩んでいるあなたへ。」
今回は、「開業医のための資産形成:クリニック経営と個人資産の両立」というテーマでお話します。
開業医という道を選んだからこそ、クリニック経営と個人の資産形成、両方を成功させたい。 でも、クリニックの経営だけでも大変なのに、自分の資産形成まで手が回らない… そんな悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか?
そこで、今回のブログでは、クリニック経営を安定させ、そこから得た収益を効率的に個人資産に繋げていくための戦略を、具体的に解説していきます。
クリニック経営の安定化:集患、経営戦略、スタッフ教育
クリニック経営を安定させることは、自身の資産形成の基盤となります。まずは、以下の3つのポイントに注力しましょう。
- 集患:
◦オンライン集患:
▪ホームページ: SEO対策を施し、ターゲットとする患者層に響くコンテンツを発信しましょう。
▪SNS: Facebook、Instagram、Twitterなどを活用し、クリニックの情報を発信したり、患者さんとのコミュニケーションを図りましょう。
▪Web広告: Google広告、Yahoo!広告などを活用し、効率的に集患数を増やしましょう。
◦オフライン集患:
▪地域住民との交流: 地域のお祭りやイベントに参加したり、地域住民向けの健康講座を開催したりすることで、クリニックの認知度を高めましょう。
▪口コミ促進: 患者さんに満足いただける医療サービスを提供し、口コミを広げてもらいましょう。
▪紹介制度: 患者さんからの紹介で来院された方に特典を設けるなど、紹介制度を導入するのも有効です。 - 経営戦略:
◦差別化戦略:
▪専門性: 特定の疾患や治療に特化することで、競合クリニックとの差別化を図りましょう。
▪独自性: 最新の医療機器を導入したり、独自の治療法を開発したりすることで、患者さんのニーズに応えましょう。
▪ホスピタリティ: 患者さんへの丁寧な対応や快適な空間づくりなど、ホスピタリティを向上させることで、患者さんの満足度を高めましょう。
◦多角化戦略:
▪新しい医療サービスの提供: 美容医療、予防医療、オンライン診療など、新しい医療サービスの提供を検討しましょう。
▪予防医療への注力: 健康診断や人間ドックなど、予防医療に力を入れることで、患者さんの健康寿命を延ばし、クリニックの収益源を増やしましょう。 - スタッフ教育:
◦人材育成:
▪研修制度: スタッフのスキルアップのために、定期的な研修制度を設けましょう。
▪資格取得支援: スタッフの資格取得を支援することで、クリニック全体のレベルアップを図りましょう。
◦チームワーク:
▪コミュニケーション: スタッフ間のコミュニケーションを密にし、情報共有や連携をスムーズに行える体制を整えましょう。
▪チームビルディング: スタッフ間の信頼関係を築き、チームワークを向上させるための取り組みを行いましょう。
個人資産の形成:投資、不動産、保険
クリニック経営で得た収益を、効率的に個人資産に繋げていくことが重要です。以下の3つの分野を検討しましょう。
- 投資:
◦株式投資:
▪長期投資: 企業の成長性に着目し、長期的な視点で投資を行いましょう。
▪分散投資: 複数の銘柄に分散投資することで、リスクを軽減しましょう。
▪情報収集: 企業分析や市場動向など、投資に必要な情報を収集しましょう。
◦投資信託:
▪インデックスファンド: 特定の指数に連動する運用成果を目指すファンド。
▪アクティブファンド: 株式市場の平均を上回る運用成果を目指すファンド。
▪バランスファンド: 株式、債券、不動産など、複数の資産に分散投資するファンド。
◦NISA、iDeCo:
▪NISA: 年間120万円まで、投資で得た利益が非課税になる制度。
▪iDeCo: 個人型確定拠出年金。掛金が所得控除の対象となり、運用益も非課税になる制度。
◦具体的な商品例
▪株式: 個別株、ETF(上場投資信託)
▪投資信託: インデックスファンド、アクティブファンド、バランスファンド
▪その他: REIT(不動産投資信託)、金、プラチナ - 不動産:
◦不動産投資:
▪マンション投資: 区分所有マンションを購入し、賃貸に出す投資方法。
▪メリット:
・比較的少額から始められる
・管理会社に管理を委託できる
▪デメリット:
・空室リスクがある
・修繕費がかかる
▪一棟アパート投資: 一棟アパートを購入し、賃貸に出す投資方法。
▪メリット:
・家賃収入が多い
・節税効果が高い
▪デメリット:
・高額な資金が必要
・管理の手間がかかる
▪一棟RCマンション投資: 耐久性・遮音性に優れ、安定した家賃収入が期待できる投資方法。
▪メリット:
・安定した家賃収入
・長期的な資産形成に最適
・節税効果が高い
▪デメリット:
・高額な資金が必要
・管理の手間がかかる
▪その他:
▪駐車場経営: 土地を所有している場合、駐車場経営も検討できる。
▪トランクルーム経営: 空きスペースを活用し、トランクルーム経営も検討できる。
◦自宅購入:
▪住宅ローン: 低金利の住宅ローンを利用することで、月々の返済額を抑えることができます。
▪固定資産税: 自宅を所有することで、固定資産税を支払う必要があります。
▪住宅ローン控除: 住宅ローンを利用している場合、住宅ローン控除を受けることができます。 - 保険:
◦生命保険:
▪死亡保険: 万が一の事態に備え、家族の生活費を保障する保険。
▪医療保険: 病気やケガに備え、医療費負担を軽減する保険。
▪がん保険: がんに特化した保障を提供する保険。
▪就業不能保険: 病気やケガで働けなくなった場合に、収入を保障する保険。
◦損害保険:
▪火災保険: 火災による損害を保障する保険。
▪地震保険: 地震による損害を保障する保険。
▪自動車保険: 自動車事故による損害を保障する保険。
▪賠償責任保険: 医療過誤やその他事故により、賠償責任を負った場合に、賠償金を支払う保険。
両立の秘訣:時間管理、効率的な情報収集、専門家の活用
クリニック経営と個人資産形成を両立させるためには、以下の3つのポイントが重要です。
- 時間管理:
◦タスク管理:
▪ToDoリスト: 抱えているタスクをリストアップし、優先順位をつけましょう。
▪スケジュール管理: 予定を立て、スケジュール帳やアプリで管理しましょう。
▪時間配分: 各タスクにかかる時間を予測し、適切な時間配分を行いましょう。
◦スキマ時間活用:
▪通勤時間: 経済ニュースや投資に関するPodcastを聴く、書籍を読むなど。
▪休憩時間: 投資信託の運用状況をチェックする、株式市場の動向を把握するなど。
▪就寝前: 投資に関するブログや記事を読む、経済ニュースをチェックするなど。 - 効率的な情報収集:
◦情報源:
▪書籍: 投資や資産形成に関する書籍を読む。
▪Webサイト: 信頼できる情報サイトやニュースサイトを参考にする。
▪専門家: 税理士、会計士、ファイナンシャルプランナーなどに相談する。
◦情報整理:
▪ノート: 気に入った情報や重要な情報をノートにまとめましょう。
▪アプリ: 情報収集に役立つアプリを活用しましょう。 - 専門家の活用:
◦税理士、会計士:
▪税務・会計処理: クリニックの税務・会計処理を依頼し、節税対策や経営アドバイスを受けましょう。
▪確定申告: 確定申告の代行を依頼しましょう。
◦ファイナンシャルプランナー:
▪ライフプランニング: ライフプランに合わせた資産形成プランを立ててもらいましょう。
▪金融商品: 自分に合った金融商品を選んでもらいましょう。
▪保険: 保険の見直しや加入の相談に乗りましょう。
▪不動産鑑定士: 不動産投資を検討している場合、不動産の価値を評価してもらいましょう。
クリニックの安定経営が入金力に繋がり、資産形成に有効に働くメカニズム
クリニック経営が安定し、入金力が向上すると、以下のメカニズムを通じて資産形成に有効に働きます。
- 余剰資金の創出: クリニックの収益が安定し、経費を差し引いた余剰資金が増えることで、投資や資産運用に回せる資金が増えます。
- 投資資金の増額: 余剰資金を投資に回すことで、資産形成のスピードを加速させることができます。
- 融資審査の有利性: クリニックの経営状態が安定していると、金融機関からの融資を受けやすくなります。これにより、不動産投資や事業拡大など、より大きな投資を行うことが可能になります。
- 信用力の向上: クリニックの経営状態が安定していると、信用力が高まります。これにより、より有利な条件で融資を受けたり、クレジットカードを利用したりすることができます。
- 心理的な安定: クリニック経営が安定することで、経済的な不安が軽減され、心にゆとりが生まれます。これにより、より長期的な視点で資産形成に取り組むことができるようになります。
まとめ
クリニック経営と個人資産形成の両立は、決して簡単な道のりではありません。しかし、計画的に戦略を立て、実行していくことで、必ず実現可能です。
今回のブログが、あなたの夢の実現に少しでもお役に立てれば幸いです。
次回のテーマ:医師におすすめの投資信託:初心者でも始めやすい資産運用
投資初心者の方でも始めやすい、投資信託について解説していきます。 ぜひ、次回の更新をお楽しみに!
2025/04/03
著者:鎌形博展
医師、株式会社EN 代表取締役、医療法人社団季邦会 理事長、東京医科大学病院 非常勤医師

東京都出身。埼玉県育ち。
明治薬科薬学部を卒業後、中外製薬会社でMRとなるも、友人の死をきっかけに脱サラして、北里大学医学部へ編入する。
卒業後は東京医科大学病院救命救急センターにて救急医として従事。2017年には慶應義塾大学大学院にて医療政策を学び、MBAを取得。東北大学発医療AIベンチャー、東京大学発ベンチャーを起業した他、医療機器開発や事業開発のコンサルティングも経験。2019年、うちだ内科医院を継承開業。以降、2020年に医療法人季邦会(美谷島内科呼吸器科医院)を継承し、2021年には街のクリニック 日野・八王子を新規開業。2023年には株式会社EN創業。国際緊急援助隊隊員・東京DMAT隊員・社会医学系専門医。趣味はBBQ。43歳で剣道・フェンシングを再開