研究・臨床の情報収集を強力に支援するAI論文検索ツールについて、実践的な使い方と活用ポイントを深掘り解説します。

1. Elicit:AIによる論文要約・比較の決定版(無料)

Elicitは、AIによる論文検索・要約を通じて、初期リサーチの生産性を飛躍的に高めます。特にスクリーニングや論文比較に優れています。

活用方法

多角的な比較:複数論文のメソッドやアウトカムを自動で表形式に整理。 
アップロード解析:PDFをアップし、AIが結果や考察を項目ごとに分解。 
Q&A機能:論文内容をチャット形式で深掘り可能。 
推奨:メタアナリシスや研究仮説立案に最適です。 ([Jitera解説](https://jitera.com/ja/insights/39379))

2. Consensus:エビデンスの合意度を即座に可視化 

Consensusは、研究テーマに対する学術界の見解を「Consensus Meter」で数値化することで、エビデンス評価を迅速化します。

活用方法

Yes/No型エビデンス検索:質問形式で論文を抽出し、合意率を即時表示。 
ChatGPT連携:質問の明確化や検索結果の補足解説が可能。 
引用文献リスト生成: 研究報告書作成に直結するリファレンスを即出力。 
推奨:臨床方針のエビデンス確認や、レビュー論文の根拠調査に最適です。 ([Jitera解説](https://jitera.com/ja/insights/38172))

3. SciSpace:AIリーダーによる論文解析と関連文献探索

SciSpaceは、論文PDFをAIで解析し、本文・図表・参考文献まで即座に解説する強力な文献レビュー支援ツールです。

活用方法

Copilot設定:言語を日本語(”ja”)、品質は”High”で詳細解説を出力。 
図表インサイト: 図表をクリックするとAIが背景や実験条件を即解説。 
関連論文レコメンド:AIが研究トピックに関連する論文を自動で提示。 
My Library:レビュー論文や参考資料をテーマごとにフォルダ管理。 
推奨:体系的な文献レビューや研究背景の強化に有効です。 ([Academianote詳細ガイド](https://www.academianote.site/scispace-how-to-use/))

4. Perplexity AI:AI検索エンジンで学術リサーチを革新

Perplexity AIは、自然言語検索を通じて学術論文や業界レポートを迅速に収集できるツールです。学術モードを活用することで、より信頼性の高い情報にアクセス可能です。

活用方法

Academicモード:検索を学術論文・研究レポートに限定して出力。 
引用元チェック:検索結果に表示される文献リンクから直接一次情報にアクセス。 
関連論文の比較:複数のエビデンスを横並びでレビュー。 
推奨:バックグラウンドリサーチや臨床研究のプロトコル設計に最適です。 ([Jitera解説](https://jitera.com/ja/insights/38172))

総括:研究目的に応じたAIツールの使い分けが鍵

網羅的な探索:「Elicit」「Perplexity AI」 
定量的なエビデンス評価:「Consensus」 
深い文献解析と図表解釈:「SciSpace」 

これらのツールは、臨床研究、メタアナリシス、プロトコル立案など多様な場面で大きな力となります。今すぐ試し、研究効率を飛躍的に高めましょう!

2025/02/06
著者:鎌形博展
医師、株式会社EN 代表取締役、医療法人社団季邦会 理事長、東京医科大学病院 非常勤医師

東京都出身。埼玉県育ち。
明治薬科薬学部を卒業後、中外製薬会社でMRとなるも、友人の死をきっかけに脱サラして、北里大学医学部へ編入する。
卒業後は東京医科大学病院救命救急センターにて救急医として従事。2017年には慶應義塾大学大学院にて医療政策を学び、MBAを取得。東北大学発医療AIベンチャー、東京大学発ベンチャーを起業した他、医療機器開発や事業開発のコンサルティングも経験。2019年、うちだ内科医院を継承開業。以降、2020年に医療法人季邦会(美谷島内科呼吸器科医院)を継承し、2021年には街のクリニック 日野・八王子を新規開業。2023年には株式会社EN創業。国際緊急援助隊隊員・東京DMAT隊員・社会医学系専門医。趣味はBBQ。43歳で剣道・フェンシングを再開

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