医師の開業③：コンセプトづくりから物件選定まで

医師が開業する際には、コンセプトづくりから物件選定まで、多くのステップを踏む必要があります。以下に、そのプロセスを詳しく説明します。

1. 方針検討

まずは自分の強み・弱みを分析し、診療コンセプトを立てます。ターゲットとする患者層を定め、開業準備期間は、テナントなら1年、戸建ては1年半と理解します。

2. 立地選定

診療コンセプトに基づきエリアを絞り込みます。エリアの人口や競合クリニックの状況、駅や商業施設などの周辺の立地を調査し、開業に適した地域を探します。また、診療コンセプトに基づいた入念な準備が欠かせません。具体的には以下のような方法があります：

• 人口動態の調査: 開業予定地の人口や年齢層、職業などを調査します。その地域に住んでいる人や、その地域で働いている人などを調べていきます。
• 交通の利便性の確認: 開業予定地の交通アクセスや駐車場の有無を確認します。最高の立地条件というのは、駅から徒歩3分以内のビルの1階のクリニックです。
• 競合の確認: 同じ診療科目のクリニックが近くにあるかどうかを確認します。競合が多い場所では、患者の奪い合いになってしまう可能性があります。
• 診療圏調査の実施: 開業予定地の来院予想人数を割り出し、エリアの市場価値を調査・分析します。
• 現地確認: 最終的には現地に足を運んで競合になるようなクリニックの状況を確認します。

3. 物件選定

クリニックの物件には、テナント、戸建て、医療モールなどの選択肢があります。自院の診療コンセプトが、都心の駅前やオフィス街の患者をターゲットとするなら、テナントを選ぶのが一般的です。物件選定には以下のような方法があります：

• 場所的条件の確認: 開業物件でもっとも重要なのは、予定している診療科目の患者さまが集まる場所を選ぶことです。競合が少なく、対象となる患者さまが多い、増加の見込みがある場所を選びます。
• 物件的条件の確認: 開業エリアが絞り込めたら、物件探しに入ります。医院・クリニック開業には以下のポイントをおさえた物件を選ぶ必要があります：
  • わかりやすい場所にある
  • 診療所に必要な天井の高さと部屋の広さがある
  • 医療機器の使用に耐えられる電力、水回り
  • 賃料が適切な価格である
• 物件形態の選択: 医療物件は、主に戸建て型、ビルテナント型、医療モール型の3つがあります。自己資金で建設し自宅兼診療所として開業するケースだけでなく、土地のオーナーに建ててもらった建物を借りて開業する「建て貸し」もあります。
• 診療科目で選ぶ: 医院・クリニック開業でもっとも多いのが内科です。整形外科は、急速な高齢化を背景にリハビリなどのニーズが高まっている診療科目です。

4. 資金調達

開業資金は診療科目や立地によっても異なりますが、5,000万円～8,000万円程度が一般的とされています。

5. 申請や設備・人材調達

内装工事に着手し、設計する際は、従業員や患者さまの動線に加えてバリアフリーへの配慮も必要です。また、医療機器の選定もこの時点で検討します。

以上のステップを踏むことで、開業の成功につながるでしょう。ただし、これらのステップは一般的なものであり、具体的な状況により異なる場合があります。専門家の助けを借りることも有効な手段です。開業は大きな決断であり、慎重に進めることが重要です。

ライター：Chat-GPT　監修：Hiro（鎌形博展）
更新 2024/06/27